台湾料理
そもそも、なぜ中国オフショア開発と組み込み系ソフトウェア開発の相性が良くないのでしょうか。この問題を考える前に、まず組み込み系ソフトウェア開発とは何かについて、簡単に整理します。
組み込み系ソフトウェアを簡単に定義すると、専用機器で動作するソフトウェア全般のことを指します。専用機器とは、例えば、携帯電話やカーナビ、車載機器、自動車・交通機器関連、カードリーダーと周辺機器など、ありとあらゆる機器が対象となります。専用機器ということは、次のような特徴を持ちます。
- ハードウェア依存が大きく、入出デバイスの制限を受けやすい
- OS、開発環境、開発言語が多種多様
- 製品出荷後のソフト修正が難しい
オフショア開発との相性を悪くするキーワードの1つは「製品固有」です。この辺りが、オフショア開発との相性の悪さを示唆しています。次節で、オフショア開発における課題について詳しく取り上げてみましょう。
- 組み込みはハードウェア絡みの部分が難しい
- 中国に組み込み開発のデバッグ/テスト環境を渡せない
- 組み込み系ソフトウェアは「製品固有」がキーワード
前出の読者アンケート結果に寄せられた3名のコメントを紹介します。
- 組み込み系ソフトウェア開発の場合は、中国にデバッグ/テスト環境を渡せないと思った方が良いです。実際、これまで渡せたことは1度もありません。ましてや実機など、とても無理です(ハードができておらず、日本側にもないのが普通)。
- 私は日本で働いている中国人ブリッジSEです。最近は会社の戦略的なプロジェクトとして、組み込み系もオフショア開発に移行しました。しかし、もらった仕様書を何回見ても、「何をやるか?」という部分はなんとなく分かってきましたが、どうやって実現するのかイメージできません。工数見積もりを出してみましたが、顧客からの予期工数の2倍になってしまいました。
- 例えば、普通にキーを押すと問題なくても、連打するとおかしな動きをするとか、組み込みならではの問題が発生します。これはシミュレータを使った開発では分からないポイントだと思います。また、開発機能によっては、ソフト開発であってもハードの知識が必要であったりするため、よほど分業とサポート体制の整った環境でないと組み込みのオフショア開発は難しいのではないでしょうか。
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