最後に、中国人IT技術者を日本に招聘するオンサイト型開発の正しい始め方について見解を示します。
一度、日本社会に適応した中国人IT技術者は、中国への帰国を拒否する可能性が高いといわれています。しかしながら、会社が本人の意に反して帰国を強制すると、すぐに転職されるでしょう。かといって、日本社会に適応できない人は、中国に戻ってもオフショア開発のリーダーとして活躍する可能性は小さいと思われます。そこで、ここでは、特に初めて来日する中国人の若手プログラマを受け入れて、OJTで育てるための3つの条件を紹介します。
上記の条件がいずれも受け入れられない場合は、若手中国人技術者を使ったオンサイト開発は、時期尚早だと思ってあきらめましょう。中国人だからといって、すべての人が「ブリッジSE」として適性を備えているかどうかは分からないのです。まずは、一般の日本人社員と同じ条件下でOJTによる訓練から始めましょう。
幸地 司(こうち つかさ)
アイコーチ有限会社 代表取締役
沖縄生まれ。
九州大学大学院修了。株式会社リコーで画像技術の研究開発に従事、中国系ベンチャー企業のコンサルティング部門マネージャ職を経て、2003年にアイコーチ有限会社を設立。日本唯一の中国オフショア開発専門コンサルタントとして、ベンダや顧客企業の戦略策定段階から中国プロジェクトに参画。技術力に裏付けられた実践指導もさることながら、言葉や文化の違いを吸収してプロジェクト全体を最適化する調整手腕にも定評あり。日刊メールマガジン「中国ビジネス入門 〜失敗しない対中交渉〜」や社長ブログの執筆を手掛ける傍ら、首都圏を中心にセミナー活動をこなす。
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