5分で絶対に分かるCRM5分で絶対に分かる(2/6 ページ)

» 2007年09月27日 12時00分 公開
[齋藤孝太,株式会社SIS(ストラテジック インテリジェント システム)]

1分 − それでもなお、求められるCRM

 CRMがいまなお求められている理由、それはクライアント企業側の関心が相変わらず高いからです。クライアント企業の認識は、「CRMについて大いに関心がある、成果(=売り上げアップ)につながるなら、ぜひとも実施したい……」というのが正直なところでしょう。

 背景には、今日のクライアント企業のマーケティング戦略とCRMの親和性が高いことにあります。クライアント企業は、高度経済成長期・バブル期のように、市場そのものが拡大している時期に行っていた新規顧客獲得を最優先に考える「マスマーケティング戦略」から、ゼロ成長時代に適合した、新しいマーケティング戦略確立の必要性に迫られているのです。

 マーケティング戦略といっても、単純にいえば、新規顧客の獲得と既存顧客の維持・育成しか方策はありません。新規顧客の獲得が簡単には見込めない今日の状況では、多くの企業は既存顧客の維持・育成を実現するマーケティングを強化しなくてはいけない、という結論に達します。しかし、バブル崩壊後15年以上がたちますが、いまだに既存顧客の維持・育成を実現するためのマーケティングメソッドは確立されておらず、課題が積み残されています。

 そこで出てくるのが、CRMなのです。CRMは、クライアント企業が解決しなければいけないマーケティングの戦略課題への解決策なのです。それが、CRMがいまも求められ、今後も求められるであろう理由です。

 以降では、特に店舗ビジネスに焦点を絞って、CRMおよびCRMシステムについて述べていきます。もちろん店舗ビジネス以外の形態のビジネスであっても、CRMの基本コンセプトは変わりません。

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