5分で絶対に分かるCIO5分で絶対に分かる(6/6 ページ)

» 2008年09月11日 12時00分 公開
[木暮 仁,@IT]
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5分−CIOの地位向上を=ホンネでのCIO論が必要

 4分で、「兼任CIO」「素人CIO」が多いことを指摘しました。その原因には、「まだ日本企業ではITの重要性が十分に認識されていないこと」が挙げられます。

 多くの経営者は、タテマエでは「ITが重要だ」といいます。

 ところが現実には、経営陣の中にIT部門経験者が皆無である企業すら多いのです。また、経営者が「自社の主力商品を知らない」とか「財務諸表を読めない」ということがあると経営者失格のレッテルを貼られるのでしょうが、「ITについてはズブの素人で?」というのは許されています。なぜなら、CIOをIT部門担当役員と解釈しており、経営革新の責任者であるという認識が不十分なのです。

 また、タテマエではIT部門は経営戦略部門だといわれますが、実際には社内地位が低い状態です。IT部門がシステム化対象業務を理解していないのは非難されるのに、利用部門がITに関して理解が低いのはIT部門の努力が不十分だとされます。

 IT部員に専門用語を使うなというのに、利用部門には業務スラングを使うなとはいいません。社内地位の低い部門を担当する役員に、経営陣の中で強い影響力を持つ人材を充てるとは思えません。

 このように、タテマエとホンネの間に大きなギャップが存在するのです。

 「ITは経営戦略実現の武器」であることは20年以上前からいわれてきたのに、いまだに根付いていないのは、異常であるといえます。IT活用の意義、IT部門の位置付け、CIOの任務について、タテマエ論ではなくホンネ論で再検討しなければならない状況になっているのです。

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