いま育成すべきなのはアラフォー世代間違いだらけのIT人材育成(3)(3/3 ページ)

» 2010年06月08日 12時00分 公開
[井上実,@IT]
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アラフォー世代育成プラン

 では、超上流を担う人材にアラフォー世代を育成するためには、どうすべきなのだろうか。

 超上流を担う人材に必要な3つのスキルの中で、どのスキルを持っているのか、いないのかを明確にしたうえで、育成プランを作成する必要がある。

 アラフォー世代はすでに20年間近い経験を企業内で積んできており、新入社員のような全員一律の教育を行うことはできない。不足しているスキルを個人ごとに明らかにし 、効率的に習得する方法を検討しなければならない。

 では、どうすれば「どのスキル・知識を持っているのか?」を確認できるのか。そのためには、各スキル・知識について“再学習”することが求められる。再び学習する過程で「これは知っている」「知らない」が自ずと明らかになるのである。

 例えば、超上流を担当する人材が必要とする「会計業務知識」とは、会計の基礎的な知識やシステム化するうえでの業務の流れだけではなく、「これから会計業務を改善・改革していくには、どのようなポイントがあるのか?」や「それをシステムで実現するにはどのような点を考慮しなければならないのか?」まで知っている必要がある。

 人口の多いアラフォー世代を企業の主戦力化するためには、IT企業もユーザー企業も、アラフォー世代に再学習させるための教育投資を行わなければならない。

【参考文献】
▼『情報システムユーザースキル標準Ver.2.1』(IPA 、JUAS、経済産業省=著)(IPA 、JUAS、経済産業省=著)
▼『エンタプライズ系ソフトウェアにおけるSE度の実態調査(PDF)』(SEC、2007年10月)(SEC、2007年10月)
▼『2010年の人口分布』(国立社会保障・人口問題研究所)(国立社会保障・人口問題研究所)
▼『第15回企業IT動向調査2009(PDF)』(JUAS=著、2009年4月14日)(JUAS=著、2009年4月14日)
▼『Skills of an Effective Administrator』(Robert L. Katz=著、Harvard Business Review)(Robert L. Katz=著、Harvard Business Review)


著者紹介

▼井上 実(いのうえ みのる)

グローバルナレッジネットワーク(株)勤務。MBA、中小企業診断士、システムアナリスト、ITコーディネータ。第4回清水晶記念マーケティング論文賞入賞。平成10年度中小企業経営診断シンポジウム中小企業診断協会賞受賞。

著書:『システムアナリスト合格対策』(共著、経林書房)、『システムアナリスト過去問題&分析』(共著、経林書房)、『情報処理技術者用語辞典』(共著、日経BP社)、『ITソリューション 〜戦略的情報化に向けて〜』(共著、同友館)。


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