敬愛すべき“偉大な兄弟”「ビッグデータ」ディルバート(277)

» 2012年07月27日 12時00分 公開
[スコット・アダムス,@IT]

コンサルタントいわく、毎日300京バイトもデータが生成されているそうだ


それはあらゆるところから来て、全てを知っている


ウィキペディアによれば、その名前は「ビッグデータ」


ビッグデータは雲の中に住んでいて、われわれが何をしているのか知っている


過去に、われわれの会社は多くの悪事を働いてきた


しかし、われわれのサーバにビッグデータを受け入れれば、破産からは免れる


ともに金を払おう


悪の側につくにはちょっと遅い?

シーッ! 聞かれるよ


  

 雲の上にいて、われわれの行動を全て知っている存在――それが「ビッグデータ」だと言われると、ちょっと怖い感じがしますね。作者は今回、ジョージ・オーウェルの小説「1984」を意識したんでしょうかね。話の中に出てくる超大国の指導者、「ビッグブラザー」も実在するかどうかよく分からない存在でありながら、常に国民を監視し、その日常生活とともにある、というお話でしたからね。

 さて、1コマ目の「京」という単位から、世界最速と言われていた日本のスーパーコンピューター「京」を思い出した人も多いのではないでしょうか。「京」は10の16乗ですが、“quintillion”は10の18乗を意味し、日本語では「100京」になります。

 7コマ目の”Let us pay”は、教会で司祭が聴衆に向かって祈りを促す時に言う“Let us pray”=「ともに祈りましょう」をもじったものですね。一方、アリスが言っている「悪」とは1984の中で「人民の敵」とされている、エマニュエル・ゴールドスタインになぞらえているんでしょうか。アリスが言うように、ビッグデータ活用に向かう社会の流れには、もう乗るしかないのかもしれませんね。

[翻訳・解説:Yvonne Chang]


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