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新人賞
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名だたるコマースサイトを抑え
人気テーマパークが新人賞受賞
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全ジャンルの新設サイトから、最も人気の高いサイトが選ばれる新人賞。次なるトレンドを占う意味でも注目度は高い。2000年はショッピングサイトが上位を独占したが、2001年のランキングは!?
リアルとバーチャル両方のおもしろさを引き出す
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
www.usj.co.jp
オンラインチケット販売がとてもユニーク。サイトでの販売はまだ開始直後で効果を見ている段階だが、今後はチケットレス販売といったユーザーの利便性に直結する形を考えていくという
日本初のネット専業銀行
ジャパンネット銀行
www.japannetbank.co.jp
日本初のネット専業銀行というキャッチフレーズはインパクト絶大だった。さらにYahoo!オークションやYahoo!BBの利用料の支払いに利用できるなど、さまざまなコマースサイト、オンラインサービスと提携していったことも認知度を高めた一因といえる。24時間・365日利用可能で、金利や手数料でもユーザーに有利なサービスを提供するという、ネット専業銀行の標準形を確立したその功績は大きい
壁紙の無料配信サービス
壁紙ドットコム
www.kabegami.com
1位のUSJ、2位のジャパンネット銀行と、リアルな世界と密接なかかわりを持つサイトが目立つランキングにあって、壁紙の配信サイトの入賞は異彩を放った。壁紙というパソコンの世界では最もベーシックな楽しみを提供するサイト。そのニーズ高さをあらためて知らしめた格好だ。数千枚のデータの無料提供(一部有料)もさることながら、専用ソフト「壁Navi」で利便性も提供していることが多くのユーザーの支持の理由だ
2001年の新人賞はユニバーサル・スタジオ・ジャパンが獲得した。ユニバーサル・スタジオといえば米国で人気を博するハリウッド映画のテーマパーク。その海外初進出版として2001年3月、大阪にオープンしたのだ。大勢のファンが押し寄せた熱狂ぶりは記憶に新しい。
運営会社ユー・エス・ジェイの大森研治氏は「パークとしての話題性の大きさが表れた結果でしょう。正直驚いています」と率直な気持ちを語る。
サイトにアクセスしてみると、そこには情報の羅列だけでない「何か」が見えてくる。アニメーションを使用した印象的なページデザイン、と同時にあふれるパークの情報にスムーズにアクセスできる快適さが両立している。さらにはチケットのオンライン販売、携帯電話への情報提供など、利便性と楽しさが両立している。
「デザイン性とユーザビリティにはとくに力を入れています。パークに一度来ただけでは見逃している部分もあるはず。そこをウェッブで補っていきたいと思っています」と大森氏。パークに行く前の情報を提供するのはもちろん、帰ってきてからも活用できる情報を提供していく。こうした姿勢は確かに新しい。今後ともユーザーの支持を得ることだろう。
今後は携帯電話を活用し、パークを訪れているユーザーがリアルタイムに活用できる情報の拡充を考えている。インターネットによる情報提供は確実に進化している。
識者の声 |
USJの勝因はサイト自体の完成度の高さ
負けたサイトは言い訳してはいけない
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USJはオープンの年という要因を差し引いても、リアルとバーチャルの上手な連動、テーマパークを見た人だけが楽しめる情報、これから行く人への適切な実用情報とバランスがいい。USJはサイト自体がおもしろいのです。他のサイトは「オープンの年だからUSJが支持された」と言い訳してはいけません。
全体的にまだ過渡期だと感じます。銀行のサイトがいくつかランクインしていますが、相手の顔が見えないサイトが多すぎますね。頭取の顔写真さえ出ていない。どこのだれだかわからない相手に大事なお金を預けたくはありません。顧客の気持ちになってサービスを考える余裕はこれからのようです。その点ガイドの「顔」が見えるAll About Japanは好感が持てました。サービス業はリピーターの獲得が大事。人間と人間が向き合うことですね。
また、トップページが重いところが多く、作り手のセンスの悪さを感じました。USJはFlashや動画を多用しているのに重くない。こういう細かい工夫や配慮も支持されたのでしょう。
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作家
中谷彰宏氏
幅広くマルチに活動。『面接の達人』シリーズの著者としても知られる
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