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旅行と地域情報部門
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前回トップのディズニーを抑え
旅の窓口がついに首位獲得
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旅行や外出時の下調べに手放せない感のあるインターネット。地図や乗り換え情報サイトが上位にランクインしたのはその表れだ。iモード対応などモバイル化が進んでいるのもこのカテゴリの特徴だ。
ホテル予約サイトの代名詞
旅の窓口
www.mytrip.net
99年の11位、2000年の3位から上り詰め、2001年はとうとう首位に躍り出た。簡単な会員登録(無料)を済ませれば、だれでもすぐに利用できる。各ホテルの掲示板が口コミ情報で人気だ
時刻表や乗り換え情報が充実
駅前探険倶楽部
ekitan.com
駅の時刻表、駅から駅までの最短経路、乗り換えや料金、さらには駅周辺の地図がすぐに検索できる。終電が何時かも簡単に調べられる。携帯電話でのアクセスにも対応しているので、モバイルで積極的に利用したい。ただしこちらは使用料月額100円が必要となる。トップページは首都圏版だが、右上から「東海版」「関西版」「その他のエリア版」を選択できる。4年連続で2位を獲得。安定した人気を得ている
全国の詳細地図を無料で入手
マピオン
www.mapion.co.jp
出かけるときに必ずお世話になるのが地図。それを全国どこでも無料で得られるのがこのサイトだ。目的の場所周辺の地図は住所、郵便番号、最寄り駅のほか、ランドマークからも探し出すことができる。最大で1500分の1まで拡大可能。NTTドコモのPHSで、いまどのエリアに位置するかを検索するサービスもある。前々回の7位、前回の8位から一気にランクをアップさせてきた。今後はさらに情報の拡充を期待したい
日立造船情報システムの一部門としてビジネスマン向けの国内ホテル予約サイト「ホテルの窓口」がオープンしたのは96年のこと。5年で旅行と地域情報部門のトップを獲得した。
今回の首位獲得についてマイトリップ・ネット取締役の岡武公士氏は「素直に喜んでいます。そして(1位を取ることを)意識もしていました」。受賞理由については「おもしろみはないかもしれないけれども、より快適なサイトを追求した結果が支持されたということだと思います」
ここまでの道のりは必ずしも楽なものではなかった。地方のホテルに加盟してもらうために一軒一軒営業で訪ねるが、前例がないため、そのコンセプトから説明していかなければならない。何でもネット上で済ませようと考える「ドットコム企業」には不釣り合いな泥くさい作業だ。しかし、こういう「しんどいことをする」ことで現在では国内だけでも約9000軒ものホテル、旅館と契約することができたのだ。
また、このサイトの特徴の1つは、実際に宿泊した客からのコメントを掲載していること。なかにはホテル側にしてみれば手厳しいセリフもあるが、基本的にどんなものでも掲載する。ホテル側の言い分も載せることで公平性も確保している。掲示板の内容を社員に見せてサービスの改善に役立てているホテルもあるそうだ。
今後は観光情報や東南アジアなど海外のホテル情報も充実させたいとのこと。2002年、首位防衛なるかも含め、注目してみたい。
識者の声 |
安い、早いという実益型サイトの人気が堅調
日本語で読める海外のホテル/地図サイトに期待
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テロ事件の影響で、海外旅行はツアー、個人旅行ともに大幅な打撃を受けています。湾岸戦争のときは半年で回復しましたが、今回はもっと長引くかもしれません。
ランキングの上位には、「安い」「早い」など実益に直結したサイトが集中しています。旅の窓口はビジネスマンをメインターゲットにホテルに安く泊まれる、駅前探険倶楽部などの鉄道の路線検索サイトも早く安くたどり着くという、わかりやすい目的があります。その一方、Yahoo!トラベルやISIZE TRAVELなどの旅行のポータルサイトについては、単機能な専門サイトと違い、目的の場所にたどり着くまでやや冗長な感があります。幅広いユーザーに対応するためにはやむを得ないのでしょうが。
将来に目を向ければ、日本語で全世界をフォローするようなホテル情報サイトが出現したらおもしろいでしょう。また決定的に弱いのが海外の地図。地図は最低限それさえあれば、ほかに何もなくても個人旅行ができるというほど重要なものです。正確かつ、口コミ的なおもしろい地図サイトが充実することを期待しています。
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海外航空券&ホテルガイド 編集長
下川裕治氏
週刊朝日連載『12万円で世界を歩く』ほかアジアを中心に著書多数
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