駅やカフェなど、人が多く集まる場所に無線LANアクセスポイントを設置し、インターネットに接続できるサービス「ホットスポット」に、大手事業者が一斉に参入してきた。NTT東日本とYahoo! BBが試験サービスを6月に開始し、NTT西日本とNTTドコモは本サービスを7月に始める。
スターバックス コーヒーやマクドナルドの一部店舗などで実証実験を開始したのが「Yahoo! BB モバイル」。Yahoo! BBユーザーはもちろん、別のプロバイダのユーザーでも利用できる。試験サービス中は無料で提供され、店舗からその場で申し込みも可能なので、気軽に利用することができる。
NTT西日本では、以前より実験を進めてきた「フレッツ・スポット」を、7月1日より本サービスとして提供する。セキュリティ機能に応じて2つのプランがあるのが特徴。NTTドコモも「Mzone」を同日開始する。
NTT東日本の「Mフレッツ」試験サービスは、ユーザーとなる「Mフレッツメイト」と、無線LANアクセスポイントを設置する「Mフレッツホスト」の両方を募集しており、ほかのサービスと少し趣が異なる。不特定多数のユーザーが利用できる公衆スポットをホテルや飲食店チェーンに同社自身が積極的に設置していくというよりは、ユーザーの見込めるスポットを集め、それを利用するユーザーも取り込んでいく戦略。ホストの方針によっては、ユーザーから料金を徴収することもできる。Mフレッツメイトの月額料金が200円と、ほかのサービスに比べて格段に安いのはこのためだ。
ただ、いずれも現在サービスが使えるのは大都市圏のみで、チェーン店舗すべてで利用できるわけではない。定額で使い放題といっても、頻繁に自分のパソコンを持ち歩いて利用する人でないと割高に感じてしまうのも事実。携帯電話やPHS、インターネットカフェに取って代わるモバイルアクセス手段として本当に定着するには、これらの課題をクリアすることが必要だろう。
■ bbpromo.yahoo.co.jp/promotion/bbmobile
●申し込み方法 5月31日から6か月間、試験サービスが行われている。あらかじめウェッブから申し込んでおく方法と、対応店内で携帯電話/PHSから申し込む方法がある。今回は後者の方法で試した。ウェッブ申し込みの場合はYahoo! JAPAN IDを持っている必要がある。 現在、ワールドワイドでのYahoo! ID統合・整理作業に伴い、一部のYahoo! JAPAN IDではウェッブから申し込めない場合があるので、その場合は後者の方法で申し込もう。
■ www.ntt-east.co.jp/flets/mflets
●申し込み方法 Mフレッツの試験サービスは、ウェッブから申し込む。Mフレッツのサイトには、無線LANでインターネットを利用できる「Mフレッツメイト」と、無線LANアクセスポイントを提供する「Mフレッツホスト」があるが、利用者となる「Mフレッツメイト」の方を申し込もう。工事日(利用可能になる日)の連絡はメールかFAXか電話で。利用できるようになるのは1週間後くらいだ。
■ www.ntt-west.co.jp/flets/spot
●申し込み方法 ウェッブもしくは電話(局番なしの116)から申し込める。受付は6月24日から開始している。サービス開始は7月1日だ。
■ www.wlan.nttdocomo.co.jp NTTドコモも、これまで実験を進めてきたホットスポットを、「Mzone」という名称で7月1日より正式サービスとする。契約事務手数料は1000円(ウェッブから申し込んだ場合は無料)、月額利用料金は2000円。東京、千葉、横浜のコンベンションセンター、ホテル、飲食店などから展開