アニメのネット配信、いよいよ本格化 海外のファンに届くようになるには時間が必要

9月9日より、アニメーション『銀河鉄道999』のインターネット上でのストリーミング配信が開始された（2003年3月末日までの予定）。今回配信されるのは、インターネット配信用に新たに書き下ろされた1話あたり約13分の全6話完結作品と、テレビシリーズのダイジェスト版。Flashで制作され、画面をクリックすることでカメラの視点を切り替えたり、画面内のキャラクターに何らかのイベントが起こるなど、ネットならではの双方向性が楽しめる。

インターネットは「国境など関係ない、地球は1つになれるという確信が持てる場」と話す松本氏。今回の配信作品では声優にも挑戦

　ネット配信について原作者の松本零士氏は、「第二の舞台に立ったといえるのではないか。地球全部が舞台になる。そういう世界のスタートだと思う。ぜひ世界中の人に楽しんでもらいたい」と語っている。

　ほかにもすでにアニメのネット配信サービスはいくつか開始されているが、やはり“ブロードバンド元年”といわれた昨年から本格的になってきたようだ。ミュージック・シーオー・ジェーピーが運営する「アニメBB」に、現況などを聞いてみた。「弊社の場合、昭和40年代を中心としたラインアップの影響もあるが、会員の8割が男性で年齢層では30代が一番多い。人気ベスト3は『あしたのジョー』『未来警察ウラシマン』『宇宙の騎士テッカマン』の順」

　また最新情報によると、バンダイグループ4社が設立した「バンダイチャンネル」が、10月1日よりコンテンツ配信を本格的に開始、『機動戦士ガンダム』シリーズなどの提供が決定した。このように続々とネットに登場する日本アニメは、海外の日本アニメファンにとっても垂涎の的であるに違いない。しかし現状では版権保護の問題などで、海外配信まではいま少し時間が必要なようだ。とはいえ、松本氏の「世界中の人に楽しんでほしい」という思いが実現する日が早く訪れることを望みたい。

■『銀河鉄道999』
夜空を走る銀河超特急999。この不思議な列車で少年鉄郎は、謎の美女メーテルとともに、さまざまな人たちや事件と出合い、成長しながら旅を続ける。Yahoo! JAPANほか12のポータルサイト、プロバイダで配信

■『あしたのジョー』
ボクサーとしての天性の素質を持った少年・矢吹丈とトレーナー丹下段平、そして丈の宿命のライバル力石徹！　ちばてつやの名作のアニメを完全収録。アニメBBで配信

■『マッハGoGoGo』
父が設計し、総力をあげて作ったマッハ号を操縦する少年レーサー、三船剛。7つの秘密装置を持ったこのマシンで、世界中のレース場で大活躍する。アニメBBで配信

■『BLOOD -THE LAST VAMPIRE-』
舞台は1966年の米軍横田基地。そこに潜入した少女・小夜は、日本刀を携え吸血鬼たちに闘いを挑んでゆく。押井守をはじめ豪華な制作陣も話題。MORRICHで配信

■『東京ミュウミュウ』
とある実験に巻き込まれ、イリオモテヤマネコのDNAを組み込まれてしまった中学生・桃宮いちごは、地球を守るためにエイリアンと戦うことに!?　@niftyで配信

		■『キカイダー01 THE ANIMATION COMPLETE』 良心回路を持つキカイダーと持たないキカイダー01。彼らと人との出会い、謎の組織シャドウとの戦いを描く石ノ森章太郎の名作をラストまでアニメ化。MORRICHで配信
		文/小出和明

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