前回、僅差の2位に甘んじたYahoo!ニュースが、2年ぶり2度目の総合大賞を獲得した。
Yahoo! JAPANメディア事業部長の宮坂学氏は「ありがとうございます。ユーザー投票で1位になるのは励みになります」と、喜びを隠さない。
Yahoo!ニュースの強さの理由は、国内外から多数のニュースソースを収集し配信するというスタイルそのものだ。生活への密着度が、得票に直結したと言い換えてもいい。しかし、ニュースソース入手から掲載までのタイムラグの解消、検索機能の強化、オススメ検索など、使いやすさの追求が、支持をさらに強固にしたことも見逃せない。宮坂氏は「ユーザーさんから宿題をもらったという感じで、もっとがんばらなければと思います。やるべきことは、まだまだあります」と、サービス拡充の姿勢を崩さない。2003年は、どのサイトもなし得なかった大賞連覇に向け、さらなる充実が期待できるだろう。
大規模ショッピングモールの先駆け、楽天市場。前回の1位からランクダウンした格好だが、その勢いに衰えはない。2002年には契約企業1万店突破、取扱高も累計で190億円となった。eコマースのトップをひた走るという表現がぴったりだ。楽天市場内の買い物やサービス利用時にポイントをもらえる「楽天スーパーポイント」やアフィリエイトプログラムを開始するなど、サービス拡充にも余念がない。依然、1位を脅かす存在だ。
サービス開始からわずか3年で、国内サイトを代表する存在になったことが3位入賞から読み取れる。2001年の本人確認費導入に引き続き、出品や落札にかかわるシステム利用料が導入されたことで利用者離れが懸念されたが、杞憂に終わった。むしろ安全性の向上が周知され、生活密着型のサービスとして受け入れられるようになったのでは。2位の楽天市場に接近する高得票を集めたことにも注目。今後、さらなる躍進が期待される。
ここではトップ20に惜しくも入らなかったサイトに注目してみよう。まずブロードバンドコンテンツであるスカパー!BBが総合でも22位と躍進している。ガンダム配信で一躍有名になったバンダイチャンネルも28位となっている。また、マイクロソフトによる掲示板、答えてねっとも総合21位、価格.com口コミ掲示板が32位など、口コミ系のコミュニティも人気がうかがえる。
2002年のトピックスの1つとして、ネット銀行の口座数の急増があげられる。それを象徴するかのように、総合ランキングでも43位にイーバンク銀行、47位にジャパンネットバンク銀行が登場している。
また、ブロードバンドの普及とNet MDなど新規格の登場で期待されたインターネット音楽配信だが、最も順位のよかったエイベックスの@MUSICが297位、ソニー・ミュージック系のbitmusicは360位、東芝EMI系のdu-ub.comが398位と低迷している。著作権保護を重視するあまり、ユーザーの利便性を損ねているとかねてより指摘されており、今後の改善が期待される。
さらにeコマースの本格普及も2002年のトピックスであるが、Yahoo!や楽天など大手サイトが人気を集める一方で、オリーブマート380位、AEON M@rket389位など、下位に甘んじるサイトも多く、寡占化を感じさせる結果となった。