「うれしいの一言です」と顔をほころばせる久保社長。現在2万2000もの飲食店が登録され、3年連続でユーザーからの最高の支持を集めたぐるなびは、もはや現代のグルメライフになくてはならない存在だ。2001年末から2002年春にかけて、お店紹介のページをすべて大リニューアル。メニューのコーナーを充実させ、お店側が表示内容を直接更新できるようにもなった。
「情報は毎日のように変わります。この“変化する”ということにユーザーからご支持をいただいています。お店側にとっても情報の見せ方によってオリジナリティを出せるようになりました」
飲食店を検索するだけではない。ぐるなびは口コミ情報、特集、レシピなど見ているだけでも楽しいグルメの総合エンタメサイトへ変貌した。「さらにきめ細やかなサービスを目指してまだまだ進化します」と久保社長は語る。ぐるなびのV4を阻むのは至難の業だ。
人気テレビ番組の公式ホームページだからという理由だけでなく、サイト単体でも十分に楽しめてしまうほどの丁寧な作りが人気の秘密。ランキングは2001年に続いて惜しくも第2位に終わったが、生活に役立つ情報サイトとして確実に定着。あるある自らが火付け役になった健康ブームがネットまで波及してきているといえよう。第1回からの全テーマを閲覧できたり、情報を投稿できたり、ほかに菊間アナの日記やゲームコーナーもある。
昨年はノミネートされていなかったので、ランキング外から一気にジャンプアップ、1万票の大台を突破してYahoo!天気情報がベスト3に食い込んだ。地味ではあるが、もともとコンテンツとしては非常に利用率が高かった。それが昨今の異常気象と相まって、また、市区町村の単位でチェックできるピンポイント天気情報など、より、簡単かつ正確に予報をチェックできる仕組みが受け入れられて大躍進。「レジャー天気」もアウトドア派にはうれしいサービスだ。
『主婦の友』の読者層はごく平均的な主婦の方なんですが、取材でお宅を訪ねると、いまではそれほど所得の高くない家庭でもパソコンがあるんです。実感としては6〜7割の所有率でしょうか。生活が苦しいというようなことをおっしゃる家庭でもパソコンだけはちゃんとある。ここ数年で一般家庭にもパソコンやインターネットが普及し、主婦など女性ユーザーが増えているというのもうなずけます。
学校の連絡網が主に電話ではなくメールを使うようになっていたりしますし、ブロードバンドの普及でネット接続が常時・定額になったため気軽に使える環境ができましたし、これまでの書籍やテレビに代わるものとして、主婦は積極的に当たり前に利用し始めています。中にはインターネットにハマってしまって、中毒に近い状態になってしまっている人もいるくらいです。また、それによって徐々に人間関係の距離感も変わりつつあるようで、身近でよく知っている人より、ネットでの付き合いしかない、顔が見えない相手の方に親近感を強く抱くようになっている。これが最近の傾向ですね。
ランキングについて言うと、ぐるなびや@グルメぴあなどのグルメサイトが強いのは、やはりクーポンやプレゼントなどおトクな情報がふんだんに掲載されているからではないでしょうか。女性というのはネットを使ってただ情報を手に入れようということだけでなく、「少しでもトクをしたい」という気持ちも強いんです。世の中は不況ですから、なけなしのお金で外食しに行くなら損はしたくない。そのためにグルメサイトを活用しているんですね。ISIZEキレイがベスト10入りしているのも、化粧品のサンプルなどがもらえるから。これから女性に注目してもらえるサイトを作ろうと思ったら、いかにおトクな情報を載せられるかがカギになるでしょう。
また、あるある大事典や医者からもらった薬がわかるに代表される健康サイトへの注目度も高いです。これはやはり「自分の健康は自分で管理する」という気持ちが強くなってきていることの表れだと思います。19位に国民生活センターが入っているのは、サイトに掲載されている啓蒙的な情報をチェックすることで消費者自身が賢くあろうとしているのでしょう。クッキング系のサイトは若干下がってきているようですが、いまや料理・お菓子・収納などについては女性自らがホームページで情報発信するようになってきているんです。見る側にしても「ちょっと隣の奥さんのワザをのぞいてみよう」的な、個人レベルでの情報のやり取りが好まれています。
2003年の予測としては、やはり2002年に続いて健康サイトが伸びてくるのではないでしょうか。女性は一度くっつくとなかなか離れないので、良質なサイトの強さは変わらないと思います。今後は高齢者のユーザーをいかに取り込むかも課題になってくるでしょう。