米アップルコンピュータは4月29日、新型の「iPod」と「iTunes 4」(Mac用音楽再生・管理ソフト)を発表すると同時に、音楽ダウンロード販売サービス「iTunes Music Store」を開始した。予想以上に反響は大きく、サービス開始からわずか16日で200万曲が購入されたという。
iTunes Music Storeは、iTunesのインタフェースを使って簡単に楽曲を購入できるのが売り。購入ボタンをクリックするだけでダウンロードから決済まで行ってくれるのは、Amazon.comの1クリック購入に近い便利さだ。現在iTunes 4はMac版しかないが、Windows版も水面下で開発されており、Windows版が提供されれば、よりいっそう購入数が増えるのは確実だろう。
■iTunes Music Store www.apple.com/music/store
20万曲以上を揃える、Macユーザー向けの音楽ダウンロード販売サービス。1曲99セント。iTunes 4からアクセス可能で、日本のユーザーでもアーティストや楽曲の検索・試聴は可能だ
iTunes Music Storeが華々しく成功する陰で、日本の音楽配信サービスはどこも苦戦している。これは、日米の音楽配信事情に大きな差があることが原因だ。
一番の違いは、楽曲数だろう。米国ではiTunes Music Storeに限らず、大手メジャーが提供する音楽配信サービスはいずれも20万曲以上のカタログを揃える。これに対し、日本の音楽配信はメジャーレコード会社全部のカタログを合わせてもせいぜい1万曲程度。また、価格面やユーザビリティの点でも日本は大きく劣る(下囲み参照)。このあたりの柔軟性も、音楽配信の売上に影響しているのだろう。