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Yahoo! Internet Guide 2003年7月号 2003年5月29日(木)
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1曲99セントで20万曲の品揃え
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話題のiTunes Music Store、日本での展開は不透明

ずか99セントでCD並みの音質のメジャーな楽曲、しかも限りなくコピーフリーに近いものを購入できるのならば、アナタはネットで「音楽」を購入するだろうか?

 米アップルコンピュータは4月29日、新型の「iPod」と「iTunes 4」(Mac用音楽再生・管理ソフト)を発表すると同時に、音楽ダウンロード販売サービス「iTunes Music Store」を開始した。予想以上に反響は大きく、サービス開始からわずか16日で200万曲が購入されたという。

 iTunes Music Storeは、iTunesのインタフェースを使って簡単に楽曲を購入できるのが売り。購入ボタンをクリックするだけでダウンロードから決済まで行ってくれるのは、Amazon.comの1クリック購入に近い便利さだ。現在iTunes 4はMac版しかないが、Windows版も水面下で開発されており、Windows版が提供されれば、よりいっそう購入数が増えるのは確実だろう。

iTunes Music Store
www.apple.com/music/store
20万曲以上を揃える、Macユーザー向けの音楽ダウンロード販売サービス。1曲99セント。iTunes 4からアクセス可能で、日本のユーザーでもアーティストや楽曲の検索・試聴は可能だ

 iTunes Music Storeが華々しく成功する陰で、日本の音楽配信サービスはどこも苦戦している。これは、日米の音楽配信事情に大きな差があることが原因だ。

 一番の違いは、楽曲数だろう。米国ではiTunes Music Storeに限らず、大手メジャーが提供する音楽配信サービスはいずれも20万曲以上のカタログを揃える。これに対し、日本の音楽配信はメジャーレコード会社全部のカタログを合わせてもせいぜい1万曲程度。また、価格面やユーザビリティの点でも日本は大きく劣る(下囲み参照)。このあたりの柔軟性も、音楽配信の売上に影響しているのだろう。

日米で音楽配信事情を
比較してみると……

1. カタログ数
米国の音楽配信サービスはどれも5大メジャーと提携し、20万曲以上の楽曲を配信している。ユニバーサルミュージックは、同社が保有するほぼすべての楽曲となる5万曲近くのダウンロード販売サービス(1曲99セント)を行っている。一方、日本で最大手の音楽配信サービス「bitmusic」の楽曲数は5月現在で2800曲弱だ。

2. DRM(著作権管理)とユーザビリティ
日本の音楽配信の場合、基本的にダウンロードした楽曲はほかのパソコンで聴くことは不可能。転送できる機器もNet MDや一部のポータブル機器などに限られる。CD-Rへの記録は不可。一方、米国のサービスはCD-Rへの記録を認めており、iTunes Music Storeで購入した楽曲は3台のパソコン(Mac)にコピーして聴くことも可能だ。

3. 価格設定
月1000円程度を支払えば20万曲以上の曲を全部楽しめる「聴き放題型」は、毎日音楽を流しっぱなしにするようなヘビーリスナーにとっては非常にコストパフォーマンスが高い。ダウンロード型も1曲99セント、1アルバム10ドル前後とお手ごろ価格。日本では安くて1曲210円、高いものでは368円と「牛丼」よりも高い価格。またアルバムはほとんど配信されていない。

 先日、日本向けの説明会でアップル日本法人は「日本を含めたワールドワイドでの展開を考えている」と語ったが、具体的なスケジュールや交渉などは一切明らかにされていない。実際のところ、権利問題の解決なしに、同様のサービスを日本で始められる可能性はほとんどないだろう。

 だが、米国でiTunes Music Storeがこのまま成功を続ければ、日本の音楽業界も黙って見ていられなくなるだろう。適正な価格設定で、ユーザビリティの高いサービスを提供すれば、消費者はお金を払うのだ。あとは、コンテンツ提供側がどんな判断をするかにかかっているのではないだろうか。

Focus
米国の音楽配信サービス基礎知識

pressplay
www.pressplay.com
ソニーミュージック、ユニバーサルの楽曲を中心に5大メジャーの約25万の楽曲を揃える。楽曲は定額ストリーミング聴き放題型で、月9.95ドルの標準プランと、月10曲までCD-Rへの記録やポータブル機器への転送が行える拡張プラン、179.40ドル年払いのプランの3つがある。日本からは利用できない

MusicNet
www.musicnet.com
EMI、ワーナー、BMGを中心に5大メジャーの楽曲約25万曲を提供。AOL会員とRealOne会員向けにそれぞれサービスを提供。AOL会員向けは月3.95ドル(20曲までストリーミング&DL)、月8.95ドル(無制限のストリーミング&DL)、月17.95ドル(無制限のストリーミング&DL、10曲までCD-Rに記録可能)の3コース。日本からは利用不可

Rhapsody
www.listen.com
5大メジャーからインディーズまで幅広く20万曲以上を提供。月9.95ドルの標準プランはストリーミングで聴き放題。別途1曲99セントを支払えばCD-Rへの記録も可能。ラジオ番組のみ試聴できるプランも。日本からの登録利用は不可だが、専用ソフトを入れれば一部のネットラジオを視聴可能。3か月に1回程度、1週間無料開放することがある


文/津田大介
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