12Mbpsや8Mbpsなど、サービス名に速度が付けられてはいるものの、その通りの速度が出ることはほとんどない。極めて条件がよければ10Mbps以上の速度が出ることもあるが、ほとんどの場合は4M〜8Mbps程度。場合によっては2Mbps程度などということもある。
これは、ADSLの仕組みを考えれば、ある程度は仕方のないところ。ADSLは、本来4kHz程度(音声通話)までの周波数の利用しか想定されていない一般加入者回線(アナログ回線)に、1MHz以上の周波数の信号を流すことで、高速な通信速度を実現する技術。信号の周波数は、高ければ高いほど、伝送距離に応じて信号が弱くなって(減衰して)しまう。このため、最寄りのNTT収容ビルと自宅までの距離が離れているほど、速度は低下する傾向にある。ADSLがベストエフォート(可能な限り速度が出るように努力する)のサービスと呼ばれるのはこのためだ。
さらに12Mbpsというのは、あくまでも理論的な速度であり、インターネットに接続するときの実効速度とは別ものであることを覚えておくことも重要。実際の通信時には信号にヘッダ情報やエラー訂正を含める必要があるため、これらがボトルネックとなり、実効速度は低下する。
アッカ・ネットワークスが公開しているフィールドテストの結果。距離が遠くなるに従って速度が低下することがよくわかる www.acca.ne.jp