取材に訪れたのが正式なサービス発表前であったため、完全な情報はまだとしながらも、26Mbpsサービスについて答えてくれたアッカ・ネットワークス　広報担当マネージャの吉田氏。

　まずは、今回の26Mbps ADSLについて、「10Mbpsが12Mbpsになったときとは少し状況が異なります」と、概要を語ってくれた。「12Mbpsサービスでは、通信距離の延長によって、これまでADSLサービスを利用できなかったユーザーにサービスが提供できるようになったり、全体的な速度の向上がありました。しかし、今回の26Mbps ADSLは主に近距離ユーザー向けに効果があるサービスとなります」という。

　今回の26Mbpsサービスは、どちらかというと、いままでのADSLサービスを置き換えるようなものではなく、近距離向けにより高い速度を提供するサービスを「追加」するという意味合いの方が強い。

　実際、サービスメニューとしては、既存の1.5Mや8M、12Mbpsも提供し続け、さらに1Mbpsと帯域を絞った低価格のADSL接続サービスも提供する。同社としては「12Mbpsサービスを標準サービスとして位置付け、その上に26Mbpsサービスを用意、リーズナブルなサービスとして1Mbpsサービスなどを提供します」（吉田氏）というスタンスのようだ。ユーザーの選択肢を増やすことで、さらなるブロードバンドの発展に努めるということなのだろう。

具体的な効果については
正式サービス開始以降に提供

　とはいえ、気になるのは、具体的にどれくらいの距離のユーザーが、どれくらいの速度向上を得られるのかという点だ。同社が発表したデータによると、2.3km以内であれば大幅な速度向上、それ以上の距離でも平均して1割程度の速度向上が見込めるとしている。ただし、同社が採用するオーバーラップを用いたAnnexI方式は、2.5kmまでと距離制限があるため、それ以上の距離の場合、モデム側で接続方式を切り替える仕様となっている。

「正式なサービス発表時にラボデータから計算したある程度の情報を提供し、その後、実データを基にしたフィールドデータを提供していきたい」（吉田氏）としているので、これを見てからサービスへの加入を考えるのが妥当だろう。

　同社今後の予定だが、50Mbps超も視野に入れているという。今年の秋から冬にかけて、クワッドスペクトラムを採用した方式が標準化されれば、この方式を採用した50Mbps超のサービスが開始される可能性もある。

アッカ・ネットワークス
広報担当
マネージャ
吉田朋子氏

20M超ADSLの真実　3/6