総ノミネート数90以上にも及んだ今回の「ベスト・オブ・悪用厳禁ツール」。並み居る強豪を抑え、栄えある大賞はダウンロード部門のファイル共有ツール「Winny」に決定した。
Winnyは、特定のサーバに依存せず、高い匿名性を確保しながらユーザー同士で自由にファイル交換を行えるツール。匿名性が高いだけでなく、通信速度に応じて「上流」「下流」という独自の概念のネットワーク空間を構築することで、効率的なファイル検索、転送を可能にしている。
Winnyの革新的な点はいろいろあるが、ユーザーにとって最大のメリットは、あらかじめ欲しいファイルのキーワードを設定し、Winnyを起動させっぱなしにすることで、自動的にそのキーワードに合致するファイルをダウンロードする機能があるところだろう。これまでのファイル共有ツールは、欲しいファイルを確実に入手するには、PCの前に張り付いている必要があったが、Winnyならば、一晩〜数日放置するだけで(ネットワークに流れているものならば)ほとんどのファイルが手に入る。忙しい現代人にとって、これは何よりのメリットだ。
しかし、何より素晴らしいのは、作者47氏のすさまじい開発力。ユーザーからの意見を適切にフィードバックし、頻繁にバージョンアップする姿勢には頭が下がる。現在でも十分実用レベルに達しているのに、今後さらにさまざまな機能が追加されるというのだから、最終的にどこまで進化するのか見当も付かない。
今までにない革新性、すさまじい開発力、将来性すべてにおいて今一番「旬」のソフトであることは間違いない。満場一致でWinnyが選ばれたのも当然の結果だろう。