ADSLに加入するなら、話題のIP電話に注目しよう。IP電話の人気の秘訣は、何といっても通話料の安さだ。音声をそのまま電話回線で送る従来の固定電話や携帯電話と違い、IP電話は音声データをパケットに分割して送受信する仕組みになっている。そのため、ADSLでのインターネット接続が何時間になっても、また世界中どこのサイトを見ても定額であるのと同じで、通話時間や距離にかかわらず通話料が一定なのだ。また、最大の特徴は、加入者同士なら何時間話しても基本的に通話は無料だということ。長距離電話や長電話になると、通常の電話回線より圧倒的にお得である。相手が一般加入電話の場合は、相手先に接続する区間でNTT回線を利用するため通話料金が発生するが、通話料はずっと安い。
少し前まで、IP電話というとパソコン同士でヘッドフォンやマイクを使って会話する「PC to PC」タイプや、パソコンから一般の電話機にダイヤルする「PC to Phone」タイプがメインだったが、パソコンを起動しなければ通話ができず、一般の電話にとって代わるものとはいい難かった。しかし、今では一般の電話機にアダプタを取り付けるだけでIP電話が使える「Phone to Phone」タイプが主流になってきている。これなら使い勝手は従来の一般電話と変わらないため、家族みんなが手軽に利用できるのだ。
IP電話は個別の電話番号を持たないため、発信はできても着信ができないという問題があったが、現在は「050」で始まる電話番号を割り振ることで、同一キャリア内ならこの番号による発受信ができるようになっている。今年の夏以降には、一般電話からの着信も可能になる見通しだ。
IP電話は今後、電子メールやホームページと同じようにISPの基本サービスになるともいわれている。何年かすれば「そういえば昔は従量制で電話をかけていたんだよなぁ」なんて懐かしむ時代になるのかもしれない。ADSLに加入するなら、ぜひIP電話に注目してサービスを選ぼう。
留守番電話機能付きコードレスホンと、ヤフー!BBのトリオモデムを組み合わせた「BBフォンステーション」。ADSLモデムとVoIPアダプタ、無線LANルータを内蔵しており、これだけでインターネット、IP電話、無線LANが利用できる