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きょうは「ピラマット」でゴロゴロしながら映画を見たレビュー(?)(2/2 ページ)

» 2004年04月12日 06時51分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 テスト環境は、DVDプレーヤーが東芝「RD-X4」、液晶プロジェクターがソニー「VW-10HT」、スクリーンはキクチの100インチビーズスクリーン、そして音響が「ピラマット」。なかなかお目にかかれないシステム構成だ。

 ソフトのほうにも触れておきたい。今回紹介する「フレディ VS ジェイソン」は、スプラッターホラーの人気シリーズ「13日の金曜日」と「エルム街の悪夢」を同時に楽しめるお買い得なDVDだ。タイトル通り、“13金”のジェイソンと“エルム街”のフレディが肉弾戦を繰り広げるというもので、制作はエルム街の悪夢7作品を制作したニューライン・シネマ。ちなみに、両シリーズとも「完結編」や「ファイナルナイトメア」の後にも続編を出し続ける長寿シリーズで、ファンの間では「ホラー界の宇宙戦艦ヤ○ト」などと呼ばれているらしい。どうでもいいけど。

photo (C)MMII NEWLINE PRODUCTIONS,INC、MMIV NEWLINE HOME ENTERTAINMENT,INC.ALL ROGHTS RESERVED 発売元はアミューズソフト販売。定価3990円(税込み)で発売中

ジェイソン・ボーヒーズ(右):「13日の金曜日」2作目から登場した、ホッケーマスクの体育会系殺人鬼。自慢の怪力で大ナタを振るい、とくにキャンプ場でいちゃつく若い男女を見つけては、次々と“昇天”させる。ちなみにマザコン。

フレディ・クルーガー(左):エルム街に出没する焼けただれた顔の悪魔。人々の恐怖を糧とし、夢の中に現れては右手の“ナイフ爪”グローブで殺しまくる。とくに子どもと女性が大好きで、好んで入浴時などに出没するエロオヤジ。夢の中で殺されると、現実でも死んでしまうので注意が必要だ

 人々に忘れられ、力が衰えたフレディは、ジェイソンを巧みに操ってエルム街に呼び寄せる。ジェイソンは期待通り次々に人を殺し、それによって昔の事件を思い出した街の人たちの恐怖によってフレディもまた復活を果たす。この2人がタッグを組むと“寝ても、起きても殺される”わけで、なるほどコワイかも。

 しかし、いつものように男女平等に殺しまくるジェイソンに対して、フレディが「女は俺のモノだ!」と逆恨み。かくて、世にもおもしろい、おそろしい対決となるわけだ。

photo ちなみにR15指定。グロいからR指定なのか、エロいからR指定なのかは不明

 実施にピラマットで試聴してみると、まずセリフが定位しない点に困った。フロントにあるはずのスピーカーが頭の後ろにあるのだから当然といえば当然だが、すべてのセリフが背後から聞こえる。もしテレビと組み合わせるのなら、テレビのスピーカーからも音を出したほうが自然に聞こえるかもしれない。

 前方にスピーカーがなければ、ヘッドホンを使う手もある。ユニークなことに、ピラマットではヘッドホンを繋いだときでもボディソニックを有効にできるのだ。イヤホン端子は単に2チャンネルステレオを出力する構造になっているようで、低音だけ独立してドライブしてくれる。ただ、ウーファーを駆動していると低音の音漏れを伴う。壁の薄いアパートなんかで使うと近隣の部屋に響いてしまう可能性が高い。そんなときは、「Runble」のツマミで調整しよう。

 主役の低音はというと、あまりクリアではないものの、背中に響くボディソニックの効果もあり、なかなかの迫力だ。スプラッター映画は、衝撃シーンに大きな音が付き物だから、タイミングよく震えてくれた。

 さて、セリフには弱い耳元のステレオスピーカーだが、思わぬ効果があることがわかった。たとえば、冒頭で若い女性が夜のクリスタルレイクに飛び込むシーン(なぜかというか、当然というか、すっ裸なのだが、それはともかく)水に入った時の“ちゃぷちゃぷ”という水音が妙にリアルに聞こえた。

 自分がプールなどに入ると、やはり水音は耳元で聞こえるわけで、記憶がリアリティを加えたのかもしれない。で、画面のほうは、水のなかから被写体を捉えるえっちな絶妙なカメラワークもあり、まるで自分が湖に入ってるような錯覚を起こした。また、13金ファンにはお馴染みのの“シッシッシッ”“ハッハッハッ”という効果音も同様の不気味さを醸し出す。このスピーカー、思ったより中高音の再生能力に優れているようだ。

photo 左右のスピーカー

2万円台半ばの価格をどう考えるか

 製品のコンセプトや値段を見れば理解してもらえると思うが、ピラマットの場合、最初から専用オーディオ機器と同レベルの音質は期待していなかった。いかにお気楽に映画を楽しめるかが一番の評価基準だ。結果として、セリフが定位しないことを除けば大きな破綻もなく、ゴロゴロしながら映画を楽しめた。

 ピラマットを自分で買うか? と問われれば、きっと首をかしげるだろう。でも、5.1chシステムを構築する前なら、面白がって購入していたかもしれない。そして、きっと後悔はしない。邪魔になったらソファとして使えばいいし、ちょっと狭いがベッドにもなる。後でAVアンプやスピーカーを追加したなら、アンプ付きのサブウーファー兼ソファとして使えばいいわけで、2万円台半ばという値段なら許容範囲だ。

 現在、ピラマットを入手できるのは、セガ・ロジスティクス直営の楽天サイトのほか、ビッダーズに出店している通販会社など。また、4月からは一部の通販誌や「セブンドリームドット・コム」などでも購入できるようになるという。今のところ量販店などで販売する予定はないが、「要望はもらっているので、夏のオリンピック商戦には間に合わせたいですね」(セガ・ロジスティクス)。ゴロゴロしながらオリンピックをみるのもいいかもしれない。

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