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幼い日の憧れ――“腕テレビ”を使ってみましたレビュー(2/3 ページ)

» 2004年05月14日 03時00分 公開
[西坂真人,ITmedia]

テレビとしての使い勝手は?

 気になる受信感度はというと、一昔前のポータブル液晶テレビといった感じ。建物の影に入ったり、屋内などではちょっとした体の動きでも画面が乱れる。

奥に写りしはモバイル敏腕記者S氏 ITmedia編集部(東京都港区赤坂のビル6階)での視聴状況。屋内はちょっとした体の動きでも画面が乱れる
photo 車の中での受信感度はソコソコ

 以前レビューしたカシオの“お風呂テレビ”と、屋内での受信感度を比較するとその差は歴然だ。もっとも、ポータブル液晶テレビとしても最新機種となるお風呂テレビには高性能な小型アクティブアンテナが装備されているなど、お風呂という電波状況のよくない場所で視聴できるスペックを持っているので単純な比較はかわいそうかもしれない。

photo お風呂テレビとの受信感度比較

 都内では東京タワーが見える場所ならほぼ問題なくクリアな受信が可能で、それ以外でも屋外なら比較的安定したテレビ受信が行えた。そして意外と使えたのが地上を走る電車で、JR山手線ではかなり良好な受信が楽しめた。もちろん地下鉄では、構内・車内ともに視聴できないが。

photo 近くの公園(東京都大田区南部)でもテレビ視聴ができた

 操作は、左側面のTVボタンの長押しで電源ON/OFF、右側面の上下キーがボリューム/SETボタン押下後チャンネル切り替えといったシンプルなもの。PLLシンセサイザーチューナー搭載で、上下キーの長押しで自動選局モードになるので、受信感度が悪い場所でも視聴できるチャンネルだけ自動で選んでくれる。もちろん手動選局も可能だ。

photo

 ディスプレイは1.5インチの低反射透過型TFT液晶を採用。解像度は280×220ピクセルとやや少なめだが、画面サイズが小さいので実際のテレビ視聴では画素の少なさはほとんど気にならない。だだし映画の字幕は、受信感度が最高でもよほど目がよくなければ読むことは難しい。

 内蔵充電池はリチウムポリマーを採用し、「約1時間半の充電で最大約1時間の連続視聴が可能」とメーカーではうたっている。フル充電で連続視聴を試みたところ、1時間15分で画面が消えた。

 モバイル機器としては心もとない駆動時間だが、55グラムの小型ボディに搭載されたリチウムポリマーの容量はわずか550mAhと単4のニッケル水素充電池1本よりも少ない。これで消費電力の多いテレビ視聴が1時間もできるのだから立派なものだ。ただし長時間視聴していると本体がかなり熱くなる。省電力化に関しては、まだまだ改善の余地がありそうだ。

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