ITmedia NEWS >

“ユーザーの生の声”を活用できる「メーカー直販」――エプソンPTV販売戦略(2/2 ページ)

» 2004年06月08日 19時29分 公開
[西坂真人,ITmedia]
前のページへ 1|2       

 「50万円前後の大画面テレビが欲しいというユーザーは、年齢でいうと40歳以上の中高年層。製品自体のサイズも大きいため設置がたいへんなのはもちろんだが、中高年層はテレビとAV機器との配線も苦手というケースも多い。今回は、電話/FAX/ウェブなどで受注したら、すぐにオペレーターがユーザー宅にコールバックする。そして、何階に住んでいているかなど住居環境や設置場所、配達時間帯などを電話で細かくチェックする」(有賀氏)

 テレビも含め家電製品の“デジタル化/高機能化“で、設置/使いこなしが以前と比べて非常に難しくなっているという声がユーザーから上がっている。有賀氏は、“メーカー直販”がデジタル家電の新たな販売スタイルになっていくとアピールする。

 「現在のディーラー経由の家電販売スタイルは、ディーラーの声ばかりがメーカーに聞こえてきて、本来のユーザーの声や姿が見えなくなってしまっている。日本にはまだ、家電直販いう文化が根付いていないが、フェイス・トウ・フェイスで商品を直接届けることによって、ユーザーの生の声を吸い上げることができ、それが次の商品展開に生かせる」(有賀氏)

photo

 「仮にPTVを販売店で売ったとしても“プラズマテレビよりも安いですよ”といった売り方しかされないのでは。我々は、日本でまだほとんど普及していないPTVという魅力のある商品の価値を高めていきたい。それには、我々が直接ユーザーと対話して販売していくしかない」

 メーカー直販というデジタル家電の新たな販売スタイルを提案しているが、PCとは異なり、テレビは購入前に製品の映像などを自分の目で確かめてみたいものだ。だが、現在LIVINGSTATIONを常時展示しているのは、エプソンダイレクトプラザ(秋葉原)/エプソンスクエア新宿(東京都新宿区)/エプソンイメージングギャラリーepSITE新宿(東京都新宿区)/エプソンスクエア御堂筋(大阪市中央区)の4カ所と、決して多くはない。

 「COREDO日本橋など話題のスポットや各種イベント会場などで期間を限定して展示していくほか、ホテルのロビーなどに置くといったことも検討している。またケーブルテレビ局とタイアップし、PPVハイビジョン番組の販促ツールとしてハイビジョン対応で大画面/低価格なLIVINGSTATIONを売ってもらうことも検討中。例えば、ケーブルテレビ局がハイビジョン番組とのセットで月々1万円のリースを行うということも考えられる。こういったフットワークの軽さもメーカー直販の魅力」(有賀氏)

photo
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.