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3.5型液晶を搭載した低価格ポータブルAVプレーヤー「Arex PocketMX typeP」レビュー(2/2 ページ)

» 2004年06月21日 12時51分 公開
[浅井研二,ITmedia]
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Photo PHOTOモードで画像を2倍表示させてみた。液晶は格子が目立つ印象

 今回試したサンプル機は最終版ではないためか、きちんと対応形式に適合しているはずのファイルをいくつか用意してみたものの、ほとんど読み込んでくれなかった。したがって、対応ファイルに関しての詳細はわからない。ただ、スペック上での再生可能な動画ファイルは、ビデオコーデックがMPEG4、DivX、XviDで、ファイル形式は.mp4および.aviとなる(音声はMP3)。DivX Portable規格に対応しているので、CIF解像度(352×288ピクセル)、ビットレート768Kbpsまでのファイルが扱えるようだ。

 再生映像自体は、白い文字の輪郭などで色のにじみが若干見られたり、色数が少ないせいかマッハバンドが目立って見えるが、動きは滑らかで、全体に及第点は与えられる。問題は音声だ。なぜか常に、AMラジオのようなノイズが乗っている。とくに付属ヘッドフォンを使った場合に、このノイズが目立ってしまう。音楽再生時もこのノイズは同様で、しかも、音質自体もこもり気味で、不明瞭なサウンドとしか言いようがない。ヘッドフォンを別のものに変えるとましになったが、それでも平均的なポータブル音楽プレーヤーと比較して、いくぶんチープな音であることは否めない。

Photo MUSICモードでもディレクトリ階層をたどり、ファイル名で表示・選択を行う。日本語ファイル名も表示可能だ

 MUSICモードでは、画面右上に再生時間が表示され、再生中には最下部でファイル名がスクロールしていくほかは、特に情報表示などはない。操作しなければ画面が消えるので、無駄な飾りは不要といえば不要だが。曲選択もMOVIEモードと同様に、「再生/一時停止」と「停止」ボタンでディレクトリ階層を下りたり、戻ったりしてブラウズする。ただ、スライドスイッチをPHOTOに合わせて呼び出すフォトアルバムだけは少し画面構成が違う。ファイルメニューの左側にサムネイルが表示されているのだ。目的の画像ファイル(JPEGのみ対応。プログレッシブは不可)を選び決定すれば、全画面表示になる。その状態で「再生/一時停止」ボタンを押せば、拡大も可能だ(押すたびに1倍→2倍→4倍→1倍……となる)。拡大中は「早送り」「早戻し」で左右へ、「+」「−」ボタンで上下へ移動できる。さらに、画面表示中に「再生/一時停止」を長押しすると、スライドショーへ移行する(5秒間隔固定)。

Photo PHOTOモードのみリストの左側にサムネイルが表示される

 ソニーの「HMP-A1」を見たあとなので、どうも、品質的に不満な点をいろいろと挙げてしまったが、実売価格が税込でも3万円弱ということを考慮すれば、それほど目くじらを立てるべきではないかもしれない。それでも音質には不満を感じるが、内蔵スピーカーもあるので、ビデオ再生時には皆で楽しむという使い方もできる。ただ、それなりに大容量のSDカードは必要になるので、手持ちにない場合はその価格も含めて検討しなければならない。512Mバイトであれば2万円以下で手に入るようだが、1Gバイトを買うつもりなら、おそらく合計金額は「HMP-A1」とあまり変わらなくなってしまうからだ。

Photo
Photo クレイドルは標準付属する。充電のほか、PCとの接続(ストレージクラスで利用)に必要なUSB端子や、外部テレビへの映像出力もクレイドル側に用意されている
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