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新時代のスタンダードになるか?――“新MD”「Hi-MD」を試すレビュー(3/4 ページ)

» 2004年07月07日 17時50分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 MZ-NH1のサイズは81.7(幅)×76.1(奥行き)×14.8ミリ(高さ)、重さ107グラムと録音可能なポータブルMDとしてはやや小ぶり。マイクとライン入力の端子も備えているので、USB経由以外での録音も可能。バリエーションモデルのMZ-NH3Dも録音機能を持つが、USB経由での録音のみの対応となっている。

 バッテリー駆動時間は最大18.5時間(メーカー公称値。MDLP4モード、既存MD利用時)で、付属するクレードルを利用しての充電が可能になっているほか、USBバスパワーでも駆動する(USBバスパワーでの充電は不可)。

photo 充電用クレードルが付属するが、クレードル端子とUSB端子は兼用となっており、クレードルで充電しながらUSB接続することはできない。クレードルにもUSB端子が欲しい

 リモコンは同社製品にこれまで採用されているスティックタイプのものではなく、3行表示が可能な大型液晶を搭載したタイプだ。バックライトも搭載しており認識性に優れるほか、液晶をスクロール表示させるジョグダイヤルも備えており、操作性も高い。

photo 付属のリモコン。同社製品おなじみのスティックタイプに比べると大型だが、操作性は良好

 再生方法については、「通常」「グループ」「アーティスト」「アルバム」「ブックマーク」「プログラム」といったモードを備えており、収録曲数の増大に対応している。また、「Normal」「Studio」「Heavy」といった簡易イコライザも備える。

PCのデータストレージとして利用する

 Hi-MD規格のもう一つのポイントがマスストレージ対応だ。

 MDは「MD DATA」としてPCのデータストレージとしても利用されているが、専用ディスクが必要になるなど難点も多く、広く普及しているとは言い難い。しかし、Hi-MDではファイルシステムにWindows OSで一般的なFATを採用、USBマスストレージ機能もサポートしたため、多くのHDDプレーヤーのように、PCと接続するだけで自動的に外部ストレージとして認識される。

 Hi-MD専用ディスク(HMD1G)ならば1Gバイト、80分ディスクならば305Mバイト、74分ディスクならば283Mバイトのリムーバブルディスクとして利用できる。なお、これらの数値はHDDと同じように1Mバイト=1000000バイトで計算した数値となっており、そこにFATフォーマット時のロスが加わる。Windows XPで実際に確認してみた実質容量は1Gバイトディスクが964Mバイト、80分ディスクが291Mバイト、74分ディスクが270Mバイトだった。

photo 80分ディスクのプロパティ。291Mバイトのリムーバブルディスクとして認識されている。メーカー公称値は305Mバイトだが、これは1Mバイト=1000000バイトで計算した数値なので、Windowsから実際に利用できる容量とはズレが生じる(Windows上では1Mバイト=1048576バイトで計算されるため)

 マイコンピュータなどからUSBで接続したMZ-NH1を確認すると、“リムーバブルディスク”として認識されていることが分かる。使い勝手はUSB接続のHDDなどと何ら変わらず、ドラッグ&ドロップでデータを移動できる。

 では実用性という点から見て、データの転送速度はどうだろうか。実測してみた。

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