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予約録画で深夜のアテネ五輪も朝すぐ持ち出せる〜「PocketMX PVR」レビュー(2/2 ページ)

» 2004年07月27日 16時24分 公開
[西坂真人,ITmedia]
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 「3時間の連続使用」というのはMP3プレーヤーとして利用した時の使用時間で、当然、液晶ディスプレイもOFFにした省電力状態での数値。消費電力の多い液晶ディスプレイを点けっぱなしの動画再生は、3時間も持つわけなかったのだ。SPモードで2時間録画できる512MバイトのSDメモリーカードを使えば“手のひら映画館”が可能なのでは、という夢ははかなく消えた。

(掲載後、同社から「連続再生は2時間で検証済み」との指摘を頂いた。プロトタイプに入っていたバッテリーがヘタっていたらしい)

 もっとも、バッテリーを複数個用意すれば“映画3本立て一挙公開”だって夢ではない。ただし内蔵バッテリーの単品販売は、まだ同社からアナウンスされていない。救いは、小型軽量タイプのACアダプターが標準で付属されている点。1時間前後の通勤時間なら映画を半分観て空っぽになったバッテリーを会社で充電することで、帰宅時に残り1時間の映画視聴を楽しめる。

(内蔵バッテリーについても同社から指摘。使用しているのはデジカメなどに採用されている汎用のNP-60で、たいていの大手量販店で入手可能。同社でも2800円で単体販売する予定だという)

PCとの親和性も

 PCレスでの使用がPocketMX PVRの魅力だが、USB端子も備えておりPCとの親和性も高い。Windows XPならドライバーをインストールしなくてもPCに接続するだけでUSB大容量記憶装置として認識。内蔵メモリー(32Mバイト)と搭載されているSDメモリーカードスロットの2ドライブがリムーバブルディスクとしてマイコンピュータ上に現れる。つまり、USBメモリーやSD/MMCカードリーダーとしても使えるわけだ。

 SDメモリーカードがスロットに入っている時は内蔵メモリーは完全に見えなくなってしまい、再生・録画/録音などすべてはSDメモリーカード上で行われる。両方のメモリー間のデータのコピーや移動はできず、内蔵メモリーのデータを再生したい場合はSDメモリーカードを抜かなくてはならないのは少々不便だ。

 もっとも内蔵メモリーは32Mバイトしかないので、MP3データなら数曲分、動画なら7〜8分ぐらいしか入らない。基本はSDメモリーカードで内蔵メモリーは予備と割り切ったほうがよさそうだ。

 本体で再生可能なフォーマットはMPEG-4(ASF)/JPEG/MP3/WAVファイル。試しにWMAやOGGなどMP3以外のオーディオデータや、MPEG-1/2、WMV、AVIなど動画ファイルを入れてみたが、いずれも再生できなかった。本体で未対応の動画ファイルは付属ソフト「マルチメディアコンバーター」でASF形式に変換することができる。

photo 付属ソフト「マルチメディアコンバーター」でASF形式に変換

 近年のAVプレーヤーらしく、JPEG画像の閲覧/MP3ファイル再生/ボイス録音など付加機能を装備。MP3プレーヤーの音質は専用機に比べると音の解像感や音域に不満は残るものの、AVプレーヤーの付加機能としては上出来。ボイス録音は内蔵マイクがあまりよくないのか音質が悪く、とりあえず録音できます程度のものだった。

気軽に“モバイルAVライフ”

 TV番組を録画してモバイル環境で楽しめるAVプレーヤーが各社から登場しているが、総じて価格の高さが目立つ。かといって、いちいちPCで動画ファイルを作るのも面倒だ。単純に深夜や早朝(ゴールデンタイムの連ドラでももちろんいいが)などのTV番組を録画して空き時間に視聴するという用途なら、PocketMX PVRで十分なのではと感じた。

 高機能なAVプレーヤーは5万円以上するものが多いが、PocketMX PVRなら256MバイトのSDメモリーカードを一緒に購入しても、3万5000円でおつりがくる。気軽に“モバイルAVライフ”を始めてみたいというニーズに、PocketMX PVRは応えてくれそうだ。

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