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1台4役を“USBメモリ”サイズに――「MuVo TX FM」レビュー(1/2 ページ)

» 2004年07月30日 00時00分 公開
[西坂真人,ITmedia]

 IT化が進んで便利になると、持ち歩く携帯機器が増えてくる。

 会社や学校で使うWord/Excelの資料やTEXT/プレゼン用データなどを持ち歩くのにUSBメモリは非常に便利。カバンの中に1本入れて毎日のように携帯しているユーザーも増えている。一方、フラッシュメモリやHDDを使った携帯音楽プレーヤーも、今や生活に欠かせない必携グッズだ。会議や講義の録音に便利なICレコーダーを常に持ち歩いているという人や、朝の通勤時は定番のラジオを情報源として役立てているというビジネスマンもいることだろう。

 クリエイティブメディアが先月6月に発表した「MuVo TX FM」は、携帯音楽プレーヤー、USBメモリ、FMラジオ、ボイスレコーダーと“現在人必携”の4機能を搭載した注目機だ。手のひらに隠れてしまう小型サイズに1台4役の機能を凝縮したMuVo TX FMの魅力を探ってみた。

photo 1台4役の携帯音楽プレーヤー「MuVo TX FM」

機能その1「USBメモリ」

 同社は2002年7月にUSBメモリタイプの携帯音楽プレーヤー「MuVo」を発表。2年の歳月を経た最新MuVoは、そのサイズをほとんど変えずに機能アップを図っている。

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 プレーヤーと電池パックの2ピース構造で、プレーヤー部分がコンパクトなUSBメモリ型が特徴。ケーブルを介さずPCのUSB端子にダイレクトに接続できるのは、HDDに比べて容量が少なく楽曲の出し入れを頻繁に行うフラッシュメモリ型MP3プレーヤーではなによりも便利だ。36.7(幅)×16(奥行き)×74(高さ)ミリで重さは43グラム(電池含む)と電池パック込みでも小型軽量サイズに仕上がっている。

 ストレージクラス&USB2.0対応で、PCのUSB端子に挿入するだけで内部フラッシュメモリに直接音楽データを書き込むことができる。もちろん、高速データ転送が行える外部ストレージとしてもすぐに利用でき、その使い勝手はまさにUSBメモリそのものだ。

photo プレーヤーと電池パックの2ピース構造。下は普通のUSBメモリ

 なんの機能も持たない普通のUSBメモリでも、USB2.0対応256Mバイトでは実売8000〜1万円前後する。対するMuVo TX FM(256Mバイト版)は実売が1万8000円前後(最新価格はこちらをクリック)と、「プラス1万円弱」で音楽プレーヤー(本来こちらがメイン)/FMラジオ/ボイスレコーダーがもれなくついてくるのだ。

機能その2「携帯音楽プレーヤー」

 USBメモリ機能から取り上げたが、業界を代表するポータブルオーディオメーカーが作ったMuVo TX FMは、もちろん携帯音楽プレーヤーとしての機能も充実している。

 再生フォーマットは、MP3(32〜320Kbps、可変ビットレート対応)とMP3の半分のビットレートで同音質を得られるWMA(64〜192Kbps)に対応。WMAでは256Mバイト版で約100曲(64KbpsのWMAで1曲4分で計算)前後、CDにして約8枚分の楽曲が収録できる。

 S/N比90デシベル以上を誇る音質はMP3プレーヤーとしてもハイレベル。インナーイヤー部が大きい同社恒例の付属ヘッドフォンではその実力を出し切れないが、自前のヘッドフォン(筆者はソニー“耳栓型”「MDR-EX71SL」)に付け替えるとそのクオリティの高さを実感できる。

 ちなみに、LifeStyle編集部にレビュー用として置いてあった同じUSBメモリ型の「Rio SU10」と同じ曲(ファイル)を、“耳の肥えた”同編集部の看板記者2人で聞き比べてみたところ、2人とも「MuVo TX FMのほうが音質がクリア」と意見が一致した(Rio SU10のレビュー記事を参照)。

 親指サイズのUSBメモリ型ボディに、液晶ディスプレイ(ブルーELバックライト付き)まで搭載しているのは立派。さすがに表示エリアは96×32ピクセルと狭いが、ID3タグの日本語表示に対応し、漢字かな混じりの曲名も表示できるなど必要な情報は十分確認できる。

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