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1台4役を“USBメモリ”サイズに――「MuVo TX FM」レビュー(2/2 ページ)

» 2004年07月30日 00時00分 公開
[西坂真人,ITmedia]
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 操作系は、長押しで電源ON/OFFが行える「再生/一時停止ボタン」と「ボリュームボタン」×2(大/小)、トラックや各種メニュー項目の選択を行うジョグダイヤルのみで、機能切り替えがワンボタンでできないなど使い勝手はあまり良くない。このあたりは小型ボディ機の宿命だろう。

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 PC用ソフトとしては、音楽CDからMP3/WMAファイルへの変換、メディアファイルの管理やトラック情報の編集、MuVo Slimへの転送など一連の作業が行えるメディアプレーヤー「MediaSource」が同梱する。

その3「ボイスレコーダー」

 MuVo TX FMは、その小さなボディにボイスレコーダー機能も備える。録音は容量いっぱいまで行え、256Mバイト版では16時間以上の長時間録音が可能。モノラル音声のWAV形式(IMA ADPCM、4ビット/8MHz)で記録され、音質も発話者など音源が近ければボイスメモとして十分使える。筆者が仕事で利用するなら、宴会場クラスの広いスペースでの発表会で使うにはちょっと心配だが、会議室クラスの発表会場やインタビュー取材で机に置いて使う分にはまったく問題ないというレベルだ。

photo マイクを装備。外付けが使えるマイク端子があればベストなのだが…

機能その4「FMラジオ」

 親指サイズのUSBメモリ型ボディにFMラジオが入っているだけで、FMラジオ好きな筆者は感動してしまう。そしてこのFMラジオは決して“おまけ機能”ではなく、室内や電車の中でも主要キー局はクリアな音質で聴けるなど専用携帯ラジオに匹敵するもの。ヘッドフォンケーブルをアンテナ代わりに使うのだが、付属品ではなく自前ヘッドフォンでも受信感度はまったく変わらなかった。

photo FMラジオの音質は専用携帯ラジオ並み。液晶ディスプレイは使い勝手に合わせて上下逆に表示を変更できる

 FMの選局は受信可能な局を自動的にサーチするオートプリセット機能を搭載しており、手動でもセッティング可能。選局したプリセット情報はメモリに保存できる。

 そして親指サイズ……(しつこい?)で、FMラジオのエアチェック(録音)まで行えるのには驚き。録音ファイルはステレオ音声のWAV形式(IMA ADPCM、4ビット/16MHz)で記録されるので、受信感度の良い場所で録音したものは十分楽しめる音質。FMラジオのエアチェックは、256Mバイト版で約4時間行える。

電池パックはもっと小型化できる?

 バッテリーは単4形電池が1本、電池パックに収められる。アルカリ乾電池を使った場合、最大で約15時間の連続再生が行える(MP3/128Kbpsデータ再生時)。

 少々疑問なのは、電池パックの大きさ。おそらく主要回路はすべてUSBメモリ側に収められており、電池パックは単なる電池ケースでしかないはずなので、単4形電池1本を入れるだけならもっと小型化できそうなもの。同じUSBメモリ型のRio SU10は、スティックタイプの本体内に電池まで収めている。

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 もっとも、USBメモリとして使用するときはMuVo TX FMのような小型サイズが使いやすい。電池パック型か内蔵型かは、利用シーンで好みが別れるところだ。筆者なら、超小型のリチウムポリマー充電池をUSBメモリ側に内蔵して、USBバスパワーで充電できるといった商品も欲しい。

 携帯音楽プレーヤー、USBメモリ、携帯FMラジオ、ICレコーダーがカバンの中でひしめき合っている筆者には、1台4役のMuVo TX FMは非常に魅力的に映った。猛暑の今夏は、できるだけ荷物を減らして身軽になりたい衝動に駆られる。そんな時、MuVo TX FMは強い見方になってくれそうだ。

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