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劇場がある暮らし――Theater Styleホームシアター特集(2/2 ページ)

» 2004年07月30日 20時01分 公開
[西坂真人,ITmedia]
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家の中に“劇場”を作り出すプロジェクター

 そして忘れていけないのが、ホームシアターの王道「プロジェクター」。近年は高性能化とともに低価格化が進み、以前は数十万〜百数十万円クラスの高級機にしかなかったワイドXGAパネル搭載のハイビジョン対応モデルが、今や20万円前後で購入できるようになった。また以前はデータプロジェクターとの兼用モデルも多かったが、昨年からホームシアター向けをうたう普及価格モデルが各メーカーから続々と登場。プロジェクター全体の売れ筋を見ても、ホームシアター向け機種が上位を独占する状況がずっと続いている。

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 画質の向上に加えて、近年のプロジェクターは光学シフト機構や短焦点レンズの採用で設置の自由度が広がっている点も普及に拍車をかけている。2メートル前後の投写距離で80インチ以上の大画面を実現できる最近の短焦点モデルなら“4畳半シアター”も夢ではないのだ。


 充実した品揃えのホームシアターコーナーを設置するヤマギワ東京本店で、最近のホームシアター事情を聞いてみた。

――プロジェクターで一番売れているのは?

 「セイコーエプソンの「EMP-TW10H」。WVGAモデルだが80インチ以下でそんなに大画面は要らないというユーザーに人気となっている。100インチ以上を求めるユーザーに好評なのは、セイコーエプソン「EMP-TW200」、松下電器産業「TH-AE500」、三洋電機「LP-Z2」の3機種で、特にエプソンの指名買いが多い。従来、ホームシアター向けは1000ルーメンを超える明るさのものはほとんどなかったが、エプソンのは1300ルーメンとデータプロジェクター並みの輝度で、“テレビ的な画質”を求めるユーザーに受けている」

――予算は?

 「一番多いケースは、プロジェクター本体のみで20万円前後という予算。それに2万〜3万円ぐらいの掛図タイプのスクリーンと、10万円前後の5.1chシアターシステムを合わせるというパターンが多い。スクリーンでは、最近はキクチ科学研究所のStylistシリーズなど自立式の床置きタイプ(80インチ)も人気。プロジェクターはハイビジョン対応機の価格が安くなっており、WVGAタイプとの価格差が本当に少なくなっている。たぶん、WVGAタイプは今後減っていき、720pモデルが普及タイプの主流となるのだろう」

photo ヤマギワ東京本店のホームシアターコーナーには、実際の部屋の中を想定したシアタールームも用意されている

――ユーザーの最近の傾向は?

 「短焦点で設置自由度の高い光学シフト機構を搭載したモデルが多いので、部屋の広さを気にするユーザーは少なくなった。年齢層は20代前半から60代までと幅広いが、メインは30〜40代。10年前ぐらいのホームシアターブーム時にプロジェクターを購入していたユーザーの買い替えも始まっている。プラズマテレビとプロジェクターの両方をセッティングして、日中はプラズマでテレビ番組を観て、夜はプロジェクターで映画を観るというユーザーも増えている」

photo 最新プロジェクターの画質を確認できるシュートアウトコーナー

 「家の中に“劇場”がある暮らし」――LifeStyle編集部では、こうした“Theater Style(シアタースタイル)”を生活に取り入れていくためのさまざまな情報を、毎週金曜日にお届けしていく予定だ。

 特集内容は、ホームシアター関連製品(プロジェクター、5.1chシアターセット、サラウンドヘッドフォン、AVアンプなど)のレビュー、AVメーカー/スクリーンメーカーへのインタビュー、シアターコーナーを設置する家電量販店や有名インストーラーへの取材、ホームシアター導入体験レポートなど。“ホームシアター入門”をコンセプトに、分かりやすく楽しい記事を連載していくつもりなので期待していてもらいたい。

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