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お風呂で使いたいMP3プレーヤー、アイワ「AZ-BS32」レビュー(2/2 ページ)

» 2004年08月25日 03時31分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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photo 「pavit」。USB2.0に対応しているため、標準添付の32Mバイトでは上限までファイルを転送してもアッという間に終わる

 独自メディアのpavitは、通常のUSBメモリと同様にPC上でストレージとして認識し、ファイルの読み書きができる。ただし、著作権保護のためか、いくつかの制約が設けられているようだ。たとえば、エクスプローラ上でMP3ファイルをコピーしてもAZ-BS32で再生することはできない。添付ソフトの「Music Transfer」を使って転送する必要がある。

 また、一度転送したファイルは「.aop3」という拡張子の独自形式となり、パソコンでは再生できない。書き戻すことも不可能だ。このため転送時には、「pavitへ送信した音楽ファイルはPCへ戻すことができません。PC上のオリジナルファイルを削除する際はご注意ください」というダイアログが出る。

photo 転送したファイルをエクスプローラ上で見たところ。再生は不可

 もっとも、pavitに楽曲を転送しても、PC上のオリジナルファイルが消えてしまうわけではないので、とくに不便は感じない。エクスプローラ上でMP3ファイルを直接コピーできない煩雑さも、著作権上の配慮ということで一応は納得できる(もっとも、メディアに直接書き込むことができれば、Mac OSなどWindows以外のプラットフォームでも使えるわけだから、pavitの制限は小さなものではないのだが)。

 むしろ問題は、標準添付のpavitが32Mバイトという点だ。32Mバイトといえば、128KbpsのMP3ファイルなら5〜7曲。30分もあれば一周してしまうため、半身浴などで長時間入浴したい人は、大容量のpavitを購入することが前提となるかもしれない。せめて128Mバイト程度のメディアをバンドルするか、逆に“メディアなし”モデルがあると嬉しいのだが……。なお、アイワのオンラインショップでは、128Mバイト版を6279円、246Mバイト版を1万1340円(いずれも税込み)で販売している。

添付ソフト「Music Transfer」の操作はいたって簡単だ。左上の画面で音楽ファイルの入ったフォルダを指定すると、右側にリストが出てくるから、お風呂で聞きたい曲を選んで下の転送ファイル一覧に追加していく。あとは右下の転送ボタンを押すだけ。MP3ファイルを自動的に変換し、pavitに転送してくれる。

photo 添付ソフトの「Music Transfer」。8K〜320KbpsのMP3ファイルをソースとして利用できる
photo 操作はMP3ファイルを選択し、転送ボタンを押すだけ。お手軽だ

 なお、曲を追加しているときに「Total Time」と書かれたバーが赤くなったら、メディア容量が不足するという印だ。不要なファイルを選択して削除ボタンを押せばいい。


 pavitに使用上の制限があるとはいえ、MP3ファイルをソースに使える点は「AZ-BS32」の大きなメリットといえる。たとえばパソコンで音楽ライブラリを作っている人なら、お風呂用CDプレーヤーなどとの価格差を考慮してもAZ-BS32を選択する価値があるはずだ。製品パッケージには、MP3変換&ライブラリソフトの「Music Mutch」もバンドルされているため、これからライブラリを作りたいという人にもお勧めできるだろう。

photo 添付ソフトの「Music Mutch」

 またCDよりも小さいきょう体は、CDプレーヤーにはあり得ないわけで、シリコンオーディオプレーヤーならではのメリットといえそうだ。FMアンテナ内蔵のハンドル部も(ちょっと太いけど)よく考えられた構造で、狭い風呂場でも容易に設置できる点は評価できる。なにより、シンプルなデザインに多くの人が好感を持つだろう。製品としての完成度を含め、2万円前後という実売価格にも納得できるのではないだろうか?

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