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ダビング派に狙いを定めた“3 in 1”レコーダー、東芝「RD-XV33」レビュー(1/2 ページ)

» 2004年09月03日 21時38分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 東芝「RD-XV33」は、今年に入って人気を集めているVHS一体型HDD+DVDレコーダーだ。型番からも想像できる通り、スペックとしては同社のHDD+DVDレコーダーのエントリーモデルである「RD-XS33」に、SQPB(S-VHS簡易再生)機能を備えたVHSデッキを一体化した製品だ。

photo デザインは、どちらかといえばVHSデッキのイメージ。左にVHSデッキ、右にDVDトレイを装備する
photo 左側には再生・録画の基本操作用のボタンと、VHS、HDD、DVDの切り替えボタンがある。前面AV入力やDV端子はカバー内に

 松下電器産業の「DMR-E150V」を筆頭に、3 in 1モデルには競合製品も既に多い。そんな中で、RD-XV33は160Gバイトの大容量HDDや、RDシリーズ共通の多機能なダビング、編集機能などが魅力として上げられる。競合製品は録画利用がヘビーではないVHSユーザーの移行を意識してか、80〜120GバイトとHDD容量を抑え気味だ。

 RDシリーズ伝統の強力な編集機能やダビング機能はそのまま。フレーム単位のチャプタ編集、部分カット(チャプタ削除)、タイトル結合、HDD内/DVD内タイトルダビング(複製)などが可能だ。ダビングもDVD-Rが最大4倍速、DVD-RWとDVD-RAMが最大2倍速書き込みで、DVD-Rへは録画時間に対して最大32倍速で高速ダビング(MN1.0Mbpsで録画したタイトル)が行える。高速ダビング中の予約録画や録画済み再生もサポートしている。

photo これは編集、ダビング機能を統括する「編集ナビ」。この画面だけでも多機能さが分かるだろう。チャプターもフレーム単位で設定できる

 VHSの再生機能も充実させた。VHS一体型レコーダーでは、VHSでの再生がD端子やS端子から出力できない制約を持つ製品も多いが(ダビング機能を利用すれば可能)、RD-XV33はこの制約を撤廃している。D端子、S端子接続では画質面のメリットもあるにはあるが、テレビとの接続がすっきり1系統だけで済むメリットのほうが大きいだろう。

photo 切り換えボタンはVHSがオレンジ、HDDがブルー、DVDがグリーンに点灯する。さらにボタンの上には録画中、再生中を示すインジケータもある。写真はVHSからHDDへのダビング中。一目でわかる
photo 右側にはチャンネルや録画モードの切り換えボタンがある。録画モードは切換え時にディスプレイ内にビットレートまで表示されるのは親切だ

 もっとも、再生系の一部回路をHDD+DVDレコーダー側と共用するため、HDDやDVDで録画している間などは、D端子/S端子を含む共用出力からのVHS再生が行えない。代わりにVHS専用のAV出力(映像はコンポジットのみ)を装備している。DVDやHDDへ録画中にVHSテープを再生することも多いという人は、このVHS専用AV出力もテレビに接続しておくと良い。

photo D1/D2出力、S1映像出力、音声光出力もこのように共用出力に含まれ、テレビとの接続をシンプルに済ますことができる。VHS専用出力の映像はコンポジットのみ

 地上波チューナーは1つで、VHSデッキは予約録画ができない。テレビ録画には基本的にHDDかDVDで、と割り切った仕様だ。VHSデッキは手持ちのVHSテープを再生したり、レンタルビデオを楽しむといった使い方に適している。競合製品では、テレビの並行録画を特徴にしている製品もあるが、テレビ録画を多用するヘビーユーザーに対しては“W録をどうぞ”という側面もあるのだろう。

photo 専用チューナーなし、予約録画なしということで、VHS側固有の設定はこれだけ。2つの操作系が混在しないという意味ではシングルチューナーという割り切りも悪くない

ツボを押さえた“3 in 1”のダビング機能

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