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プロ並み1080iハイビジョン映像が撮れる――ソニーが家庭用HDビデオカメラ(1/2 ページ)

» 2004年09月07日 16時53分 公開
[西坂真人,ITmedia]

 ソニーは9月7日、放送局などで採用されている1080i方式のハイビジョン映像を記録・再生できるHDV対応デジタルHDビデオカメラレコーダー「HDR-FX1」を発表した。「民生用DVカメラで1080iの記録をサポートするのは世界初」(同社)。10月15日から発売する。価格はオープンだが、実売は40万円前後になる見込み(別売りアクセサリーキットは3万2550円)。

photo HDV対応デジタルHDビデオカメラレコーダー「HDR-FX1」

 HDR-FX1は今年春のCeBIT2004で参考出展され話題となっていた製品。4月には同社から製品化を目指した開発表明も行われていた。

photo CeBIT2004で参考出展されたモックアップ

 従来、デジタルハイビジョン対応のビデオカメラは、放送局向けなど業務用で数百万〜1000万円以上の高価なものばかりだったが、昨年3月に日本ビクターが民生用として世界初のハイビジョン対応DVカメラ「GR-HD1」をリリース。

 GR-HD1は発売当初でアクセサリーキットを含めても実売で40万円以内(現在は実売35万円前後。最新価格はこちら)と、一般ユーザーにも手の届く価格帯で登場した。ビクターは昨年4月に、GR-HD1をベースにした業務用デジタルハイビジョンビデオカメラ「JY-HD10」(50万円)も発売している。

 昨年10月にはキヤノン/シャープ/ソニー/日本ビクターの4社が、現行のDVテープにデジタルハイビジョン(HD)品質の映像を記録・再生できるDVベースの「HDV」規格をを策定。同規格では720p方式と1080i方式の2種類が用意され、ビクターのGR-HD1はプログレッシブの720p方式を採用していた。

photo

 1080i方式のHDV規格に対応したHDR-FX1は、ハイビジョン映像(1080i)を通常のDVカメラで使われている安価なミニDVテープに記録可能。本体内に搭載したハードウェアMPEG-2エンコーダ/デコーダを使ってMPEG-2方式で記録することで、従来のDV方式と同じ撮影時間(最長60分)を確保した。

 「従来のDV方式のSD画質に比べて約4倍の情報量を持つハイビジョン映像を撮影できる。720pでも家庭用としては十分高画質なのだが、とにかく一番いい画質を目指して1080iを採用した」(同社)

photo 安価で互換性の高いミニDVテープでハイビジョン映像を撮影できる。写真は同時に発売予定のミニDVカセット「DVM63HD」(オープン、実売1550円前後)

 1080i以外に従来のDV方式(480i)の記録にも対応。録画ビットレートは1080i/480iともに平均25Mbps。また、ビクターGR-HD1などHDV規格720p方式の他社製品で録画したDVテープの再生も行える。

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