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コストパフォーマンスの高さが魅力〜新「AVeL LinkPlayer」これが本命? WMV対応メディアプレーヤー(3/3 ページ)

» 2004年09月17日 15時10分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 今回は無線LANアクセスポイントにNEC「WR7600H」を使用し、無線LANモードは802.11b+g設定、セキュリティとして128bit WEPキーを設定して検証に利用した。現実的な運用を考慮して隣接した部屋間での通信とし、無線LANチップに依存する独自高速化モード(SuperA/G)は無効にしてある。AVeL LinkPlayerと同じ位置にPCを置くと、54〜36Mbpsでリンクするような環境だ。

 一般的にはビットレートの上限が2Mbps程度となるDivxやWMVの再生に関してはコマ落ちなどの発生はなかった。有線LAN接続時との違いは、“早見/早戻し再生時に初回のみ発生する待ち時間が少々長いかな?”と感じた程度だ。

 より高ビットレートとなるMPEG2では、8Mbps、6Mbps、平均6Mbps(最大9Mbps)、4bps、平均4Mbps(最大8Mbps)の5つのファイルで確認した。8Mbpsでは音声が再生されない、コマ送りになるといった問題が生じたが、これ以外では問題なく再生が可能だった。

 無線LANアクセスポイントを802.11g専用モードに切り換えると、8Mbpsでも稀にコマ落ちを感じる程度に改善された。しかし無線LANアクセスポイントをすぐ側に置く(あまり無線LAN化の意味がないが)といった状況でもない限り、無線LAN接続での高ビットレートなMPEG2再生はちょっと辛そうだ。

 では、802.11bではどうだろう。無線LANアクセスポイントをアイ・オー・データ機器の「WN-B11/AXP」に切り換えると、DivxやWMVの再生は問題はないものの、MPEG2の4Mbpsでも音声が再生されない、コマ送りになるといった問題が生じた。MPEG2ファイルを再生するなら、最低でも無線LAN環境は802.11gにする必要がありそうだ。

同社製品との連携も期待

 ここまでにあげた以外にも、前面にUSBポート(USB2.0対応)を装備し、USBマスストレージクラスに準拠したUSBフラッシュメモリ、USBカードリーダー、USB接続HDDなどを接続してコンテンツを再生可能だ。ただし、対応するファイルシステムはFAT/FAT32のみとなっているため、USB接続の外付けHDDをPCを共用する場合などには注意がいる。

 旧モデルにあったCFスロットは削除された。このCFスロットは、メモリカードもサポートしていたが、スロットが背面にあり、事実上は無線LANカード専用スロットともいえる存在だった。USBポート装備の方が実用性は高いだろう。

 旧モデルでサポートされていた同社のネットワークストレージ「LANDISK」との連携に関しては「対応予定」となっている。旧モデルではアクセスできるファイルサイズが最大2Gバイトに制限されていたため、是非この点は改善して欲しい。

 今回使用したのは試作機でいくつか気になる点もあったものの、Windows Media Video対応となった点は安心感という意味では大きい。また「AVeL Link Advanced Server」を利用する事でPCで録画したMPEGファイルの視聴を便利に行える点も魅力的だ。同社テレビチューナーユニットと組み合わせた場合のEPGを利用した録画予約にも大いに期待できる。

 なお一部のテレビチューナーカードが録画ファイルにデフォルトで利用する拡張子「m2p」に関しては、「AVeL Link Server」では再生可能なのに「AVeL Link Advanced Server」では再生できない(一覧表示されない)というちぐはぐな面も見られた。単にサーバソフト側の問題だと思われるので、製品版では改善されていることを願う。

 また無線LANでの利用が前提ならコストパフォーマンスも魅力だろう。当面のライバルとなるバッファロー「PC-P3LAN/DVD」(無線LAN非内蔵)との価格差は現状(予約時点)で2000円程度のようで、コストパフォーマンスでは勝っている。また旧モデルとの価格差をみても現状1万円以内に収まっており、旧モデルに無線LANアダプタをくわえた価格とあまり変わらないという意味でもコストパフォーマンスは高いといえるだろう。

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