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伊藤ガビン×松浦雅也――ブログ、レコミュニ、デジオ。今、ココロをつなぐものっぽいかもしれない(2/3 ページ)

» 2004年10月13日 08時59分 公開
[こばやしゆたか,ITmedia]

 会場は真っ暗。中に入ろうとすると、入り口で懐中電灯を渡される。舞台(っていうほど広くないけど)には椅子が2脚あって、その向こうにスクリーンがある。そこにこう書いてある。

 何が起こるんだろう。なんか電源が不足する事態でもあったのかな(前日の9日に関東地方を台風が直撃したばかりなのだ)とか思っているうちに、伊藤、松浦両氏が登場。手に持っているもので、すべての疑問が氷解した。

 特製マイクを持ってあらわれたのだ。このマイク、しゃべると明かりがつく。それもLEDなんてかわいいものじゃない。白熱電球。

 伊藤さんが、まず私が考えたんですけど、って説明してくれた。

 「ライブログ」(LIVE+BLOG)だから、トークショーとはいっても、「生blog」っていう雰囲気でやりたい。それにはどうすればいいだろう。やっぱり客席から、生コメントや生トラックバックを(ようするにツッコミ)をしてもらおう。そのとき、その発言者は目立たなきゃ、それっぽくない。そうだ、マイクを光らせよう。そういうのを作って客席を回そう。

 そう思って製作を頼んだら、1本のつもりだったのに、2本できあがってきちゃった。2本だとトークの2人で持つことになる。仕方がない。そうしよう。客席の人は、突っ込みたかったら、懐中電灯をチカチカさせてください。そしたらこのマイクでしゃべってもらいます。

 とにかく、しゃべると、マイクがぴかぴか光る。しゃべるほうは目の前がぴかぴかして(前日にリハーサルをした松浦さんは「まだ、目が焼けた感じがする」だった)、自分が何をしゃべっているのか分からなくなる。聞いているほうも、どこを見ていいのかよくわかんない。真面目な話がされててもぴかぴかのせいで、あんまり真面目にみえない。

 そのせいかどうか、話はあっちこっちにとびまくる。でも、つまらないわけじゃない。ぴかぴかマイク込みで、「変」だけどすごく面白いものになる。

動画はこちら(0.4MB)

 スクリーンに「ガビマツBLOG」を表示、その最初にある「拝観料」から檀家の話を経て、Social Nerwork System(SNS)(*3)の話になり、いま松浦さんがはじめようとしている新しいSNS「レコミュニ」の話になった。

 レコミュニ(recommuni)というのは、音楽の紹介システムだ。メンバーは自分の気に入った音楽をCDからMP3化して、そこにアップロードする。するとスタッフが、その音楽の権利者に対して公開のOKをもらうための交渉を行う(*4)。必要なら料金を払う。

 こうして、OKがもらえたら、メンバーは料金を払えばダウンロードできるようになる。また、音楽を紹介した人(レコメンダー)にはポイントが加算され、そのポイントを使ってのダウンロードも可能になる。なお、トークショーでは10月12日サービス開始という話だったのだけど、10月19日にのびた(*5)。


松浦:音楽というのはもともと無形のもの。またコンピュータっていうのは、データをコピーできるっていう特長がある。この二つがうまくマッチする環境というのは作れないかって考えてました。

 その一方で、ネット上で音楽を作る環境はまだないなとも思っています。レコミュニも出来上がった音楽を扱うだけ、それはそれでいいんですが。

 例えば、「ガビマツBLOG」は、ガビンさんと僕とでお互いにやりとりしながら作った作品で、これは誰か一人のものではない。ガビンさんと僕と(システムを作った)ニフティの作品。こういうことを音楽でできる環境がまだないなと。

客席:Garage Bandはどうでしょうか。その環境としては使えませんか? いくつかコミュニティもありますし(*6)。


*3 メンバーの紹介がないと入れないタイプのコミュニティ。orkut、mixiなどが有名。

*4 本当にOKがもらえるのかが大問題なのだけど、松浦さんによれば「いまのところ否定的な回答は、どこの会社からももらっていない」とのこと。とはいっても、いきなり大レーベルがOKしてもらえるかどうかはわからない。おそらくはインディーズに近いところから展開していくことになりそうだ。

*5 レコミュニもデジオも、ニフティとは関係ない。松浦さん、伊藤さんが関っているというもの。

*6 MacJamsMacBand、あるいはiCompositionsなど。

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