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デジタル伝送のコードレスヘッドフォン普及版――ソニーらしさ光る「MDR-DS4000」レビュー:コードレスサラウンドヘッドフォン特集(2/3 ページ)

» 2004年11月09日 00時00分 公開
[西坂真人,ITmedia]

サラウンドでの音質は?

 サラウンドはドルビーデジタル/ドルビープロロジックII/DTSの各種デコードに対応するほか、映画館やライブホールなどあらゆる音場をヘッドホンで再現するVPT(Virtual Phone Technology)も搭載。また、デジタル放送のMPEG-2 AACもサポートしており、地上/BSデジタルの5.1chサラウンド放送も楽しむことができる。MDR-DS3000はMPEG-2 AACに非対応だったので、デジタル放送ユーザーには朗報だ。

 ドルビーサラウンドの試聴に使用した「スターウォーズ エピソード1」では、左から右へ上から下へ後ろから前へと自由自在に音が動くサラウンド感がしっかり出ており、定位感や音の移動もMDR-DS3000よりハッキリと分かった。

 DTSとドルビーサラウンドの聴き比べは「ファインディング・ニモ」を使用。水に包まれる独特の音場の中で聴こえてくる本作品の独特なサウンドは、DTSの方がよりリアルに聴けるのでお薦めだ。

 さきほど紹介したトランスミッター左側のEFFECTスイッチの切り替えで、3種類(OFF/CINEMA/MUSIC)の音場モードを選択できる。アナログ入力時やPCM入力時には、CINEMA/MUSICのサラウンドエフェクトはすべてドルビープロロジックII処理になる。

 音響環境のよいリスニングルームの音場を再現するというMUSICモードはしっとり落ち着いたエフェクト。一方、CINEMAモードは映画館のホールの残響感をかなり強調したエフェクトになっており、その派手なサウンドは好みが分かれるところ。ちなみに筆者は、エフェクトを効かせないOFFモードがすべてのコンテンツで一番聴きやすかった。

 MDR-DS4000では新機能として、爆発音のような大きな音を小さめに、会話などの小さな音を大きめに再生して全体的に聞きやすい音量感にする「COMPRESSION機能」が搭載された。確かに会話は明瞭になるが、全体が明らかに原音と違うサウンドになる。ニュースなど会話が中心のコンテンツには有効だが、この機能を映画などで使うと製作者の音響意図を崩しかねないので注意が必要だ。

さらに使いやすくなった“簡単充電スタイル”

 ソニー製コードレスヘッドフォンのいいところは、トランスミッター(送信部)がヘッドフォンの置き場所にもなっており、使わない時(充電時)にコンパクトに収納できる点だ。その伝統はMDR-DS4000にも受け継がれており、スッキリとした収納とサッと使える気軽さを両立している。

 そしてヘッドフォンをトランスミッター部に置くだけでスタートする“簡単充電スタイル”も継承。置くだけで常にフル充電状態で使えるのは、携帯電話感覚で非常に便利。使いたいときに充電不足といった失敗も防いでくれる。

photo 置くだけで充電スタートの“簡単充電スタイル”
photo バッテリーは左側ハウジング部に専用充電池(単4形ニッケル水素×2)を内蔵。単4形乾電池も使用できる

 スタイルとしてはMDR-DS3000とよく似ておりサイズもほとんど同じだが、MDR-DS3000はトランスミッターに置いた時にヘッドフォンが規定位置に安定せず、充電端子にうまく接続しないという難点があった。だがMDR-DS4000はヘッドフォンの受け皿がお椀型になっており、充電端子に接続する場所にうまく収まるように改良されている。

photo MDR-DS4000(左)とMDR-DS3000(右)

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