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低価格DLP機の実力は?――HP初のホームプロジェクター「ep7100シリーズ」レビュー:劇場がある暮らし――Theater Style(5/5 ページ)

» 2004年11月26日 14時26分 公開
[本田雅一,ITmedia]
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家庭向けプロジェクターのノウハウを吸収した次世代機に期待

 本機の基礎的な要素は家庭向けDLPとして最低限のところを抑えており、DLPらしいコントラスト感が高く奥行き感のある映像を出してくれる。それは透過型液晶プロジェクターがまだ実現できていない領域であり、様々なデメリットを考慮した上でDLPプロジェクターが欲しいというユーザーもいることだろう。そうしたユーザーにとって、本機の価格は確かに魅力だ。

 しかし前述したような家庭向けとして使う上でのツメの甘さや設置性の低さは、日本市場のニーズにマッチしていない面もある。たとえば本機の騒音レベルは34dB。テーブル置きの場合はもちろん、背後の書棚の上に置くといった場合でも、気になるレベルのファンノイズが耳に付く。

 ランプ光量を抑えたモードがあれば、ファンノイズを軽減できただろうが、ep7100シリーズはすべてランプモードが固定。必ず1020ルーメンの明るさとなる。狭い部屋で使われることが多い日本の住宅事情が考えられていれば、このようにな仕様にはならなかったのではないか。

 HPは今後も、ホームシアター向けDLPプロジェクターを継続的に開発・投入していくと明言している。なぜなら、デジタルイメージング技術の蓄積に加え、“ウォビュレーション”というオリジナルの新技術をHPは開発中だからだ。ウォビュレーションは擬似的に解像度を上げ、ジャギーのない滑らかな映像表現をDLPプロジェクターで実現する技術で、来年の終わりぐらいまでに商品化する見込みという。

 今回の製品を糧に、本命となる次世代機に向けて家庭向けプロジェクターとしてのノウハウを盛り込んだ進化に期待したい。

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