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みんな気になっていた“あの格安液晶テレビ”を観てみたレビュー(2/4 ページ)

» 2004年12月01日 01時32分 公開
[西坂真人,ITmedia]

 音声入力端子は、本体左側にあるコンポジット/S端子の方はRCAタイプなのだが、VGA/D端子の方はステレオミニプラグになっている。そのためd:2732GJには片側がφ3.5mmミニプラグとなっているオーディオケーブルが2本同梱されている。ケーブルの長さは2メートルあるので、テレビ台の下ぐらいなら十分だが、AV機器を離れて設置している場合は片側がミニプラグタイプのケーブル(もしくは変換ケーブル)を用意しなくてはいけないので注意が必要だ。

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 d:2732GJの売りの1つが、ハイビジョン対応の高性能液晶パネルだ。解像度は1280×720ピクセルで、アスペクト比はしっかりと「16:9」になっている。1280×768ピクセルのWXGAパネルを採用する液晶テレビも少なくないが、これではアスペクト比が15:9になり、I/P変換時に情報の欠落や映像にゆがみを生ずるといった問題が発生する。

 ただし1280×720という解像度はハイビジョン画像を見る分には適しているが、PC映像の出力としてはイレギュラーで対応するビデオカードも極端に少ない。もっとも、大画面液晶テレビを何のために購入したかを考えたら、どちらがいいかは自明の理だ。

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 d:2732GJに使われている27インチ液晶パネルは、公表はされていないが台湾CMO(Chi Mei Optoelectronics)製のもの。CMOは台湾の液晶パネルメーカーでも特にテレビ向けに注力しているメーカーで、応答速度が速い20〜30インチ台の大型パネルを得意とする。さらに、より高速応答が可能なOCB液晶など最先端パネル開発にも積極的に取り組むなど、研究開発にも余念がない。

 d:2732GJのパネル性能も、輝度500カンデラ/コントラスト比500:1/視野角上下左右約170度/応答速度16ミリ秒と、国内大手メーカーの液晶テレビと比べてもまったく遜色のないスペックとなっている。そして画素変換チップには米国GENESIS Microchipのスケラーチップを採用。同社は映像処理エンジンだけはGENESISとPixelworksの2社に絞って、他メーカーのものは採用しないという方針を貫いている。そうすることで2社からは積極的なサポートを受けられるというわけだ。

ハイビジョンで真価を発揮するテレビ

 さて、気になる画質を順にチェックしてみたい。

 まず目を引いたのが、液晶パネル自体の性能の高さ。日光や蛍光灯下での明るい環境でも十分な輝度を確保しており、ブラウン管テレビの置き換えでも違和感なく視聴できた。特に上下左右約170度という視野角が思いのほか良好で、ほぼ真横で画面を観てもほんの少し色が薄くなる程度でしっかりと映像を映し出していた。レビュー前は正直言って「15万円で買える27インチなんて……」と画質面ではあまり期待していなかったのだが、いい意味で期待を裏切る結果となった。

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 プログレッシブ表示に対応しており、プログレッシブ出力対応のDVDプレーヤーや、デジタル放送のハイビジョン映像が非常に美しく表示できる。DVD映像やハイビジョンは、ブラウン管テレビで観るより数段解像感があり、色再現性も自然で好ましい。どうやらd:2732GJ搭載の映像エンジンは、DVDやハイビジョンをメインに絵作りを行っているようだ。

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