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MP3に対応したHDDウォークマン「NW-HD3」――MP3の使い心地を試してみたレビュー(4/4 ページ)

» 2004年12月02日 19時41分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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 最大のポイントである「MP3対応」だが、実はこれまでのHDDウォークマン(NW-HD1/2)でもMP3ファイルを転送して楽しむことはできた。しかし、SonicStageからの転送時に圧縮形式をMP3からATRAC3/ATRAC3plusに再エンコードしていたために、かなりの時間がかかっていたのだ。

 本製品では、添付されている「SonicStage 2.3」がMP3ファイルの転送時にOpenMG Audioによる著作権保護を施すものの、ATRAC3/ATRAC3plusではなくMP3として転送するため、その速度は従来に比べ最大で30倍という高速化を実現している。

 試しに筆者が普段使用しているPentium M 1GHz搭載のThinkPad X40(メモリは768Mバイトに増設済み)で、MP3/132kbpsでエンコードした116曲(アルバム10枚分、771Mバイト)を転送してみたところ、5分32秒で変換・転送が完了した。

 VAIO Pocket登場時に小寺氏がSonicStageでMP3をATRAC3plusに変換、転送する実験を行っているが、その際にはアルバム1枚(51分38秒)の変換・転送に9分45秒の時間がかかっている。条件がかなり違うため、正確な比較とはいえないが、変換・転送の高速化は明らかだろう。


 V-SURが適用できないなど、若干ちぐはぐな部分も見受けられる今回の“MP3対応”だが、転送速度が向上したことで実用的なレベルにまで引き上げられている。それに、ポータブルオーディオ製品としてのクオリティ、質感の高さは“ウォークマン”の面目躍如といったところだ。

 NW-HD1/2を購入したユーザー向けにも、有償(2000円)ながらMP3への対応を可能にするアップデートサービスが用意されており、利用することで「MP3再生対応」「Digital Sound Presetモードの追加」「大音量再生時の音質向上(NW-HD1のみ)」といった機能アップを施すことができる。

 NW-HD3はiPod miniに見劣りしないコンパクトサイズながら、HDD容量が20Gバイトある点も魅力の一つ。確かにコストパフォーマンスだけを考えると、実売想定価格は4万2000円前後と、同クラスのHDDを搭載した製品としてやや高価な部類に入り、より大容量のHDDを搭載した製品も次々と登場している。

 しかし、音楽再生という一点に機能を絞り込み、小型・軽量なボディでMP3の扱いやすさをより向上させた点は高く評価されるべきだろう。ポータブルオーディオプレーヤーの冬商戦で、高い人気を呼ぶのは間違いなさそうだ。

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