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“冬ボ”で狙いたいホームプロジェクターバイヤーズガイド(6/6 ページ)

» 2004年12月17日 01時20分 公開
[本田雅一,ITmedia]
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縦筋ノイズについて

 「エプソンD4パネル搭載機で目立つ場合がある」と話題の“縦方向の筋が出るノイズ”について、読者からこれまで何度かメールで質問を受けた。最後にこの点について触れておきたい。

 ここでいう縦筋ノイズとは、スクリーンに縦方向のシワがあるかのように、影のような薄い縞模様が画面に等間隔で現れるものだ。サッカー番組のように、画面全面が同じ色に塗られる場合に目立ちやすい。

 この縞は透過型液晶パネルを製造する際に施す処理によって発生すると考えられており、その処理(ラビング処理)にちなんでラビングノイズと言われる場合もある。

 同じエプソンD4パネル採用機なら、すべてにラビングノイズが載りそうなものだが、パネルの品質にもバラツキがあり、個体によってノイズの程度は異なる。もっともD4パネル出荷直後の昨年に比べると、今年はノイズが目立ちにくくなっているようだ。機種によっては、ラビングノイズが目立ちにくくなるような調整パラメータを設け、個体ごとに縞が薄く見えるような工夫をしている場合もあるという。

 ただし、意図的に同じ色に塗りつぶしたり、サッカーばかりを見ているというならば話は別だが、通常の画面の中で気になることはさほど無いように思う。我々は試用機しか使っていないため、目の前にある製品しかわからないが、いずれもラビングノイズは軽微だった。

 特にEMP-TW200HとLP-Z3にはごく僅かしか認められなかったほか、EMP-TW500に関しては皆無だった。TH-AE700は他製品よりもやや濃くラビングノイズが出ていたが、松下電器によると「調達部品に含まれているもので、基準値以下のノイズならば対処できないが、当社基準値を超えた縞が出るようならば対処する」とのこと。

 なお、自社製パネルを使うVPL-HS50に関しても原理的にはラビングノイズが発生する可能性はあり、実際、緑単色で塗りつぶして、目を凝らしてみれば縞を見つけることもできる。しかし、D4パネル搭載機と比較するとノイズはごく僅か。これまで2台の試用機を見たが、片方の機種は全くノイズは見られなかった。

 透過型液晶プロジェクターにはこのほか、光の入射角による左右の色の違い(色ムラ)といった問題も指摘される事があるが、これも以前に比べると格段に改善が進んでいることも最後に付け加えておく。

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