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液晶テレビの主力は45型へ――シャープ年頭会見(2/2 ページ)

» 2005年01月12日 19時50分 公開
[西坂真人,ITmedia]
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 稼動は2006年の10月で、完成すれば世界最大級の液晶パネル生産拠点となる。生産能力は当初月産1万5000枚からスタートし、2007年中には月産3万枚に拡大するという。

 新工場のマザーガラスの大きさは現在の亀山第1工場の2倍で、40型クラスなら8枚取り、50型クラスなら6枚取りが可能になる。大型サイズでの多枚取りは大幅なコストダウンにつながる。同社では新工場で40〜50型の大型パネルを生産していく予定。

 「現在、亀山第1工場では32、37インチが主流。これを45インチクラスに主力サイズを持ち上げる。新設する第2工場のマザーガラスは、40〜50型に適したサイズ。これはプラズマと競合する画面サイズだが、この厳しい市場を液晶で開拓するため、フルハイビジョン対応を強くアピールしていく。(ハイビジョンの)地上デジタル放送が普及していくということをフォローの風にしながら、新工場の生産能力でコスト競争力をつけていきたい。また、生産能力アップだけでなく、原価の6割を占める部材を新規開発したり、生産プロセス改善、工場内の搬送距離短縮、リードタイムの半減などで大幅なコストダウンを図っていく」(町田氏)

 CESでSamsungが出展した102インチや松下電器産業の65V型のように、大型化で有利なプラズマ陣営はサイズアップで攻勢をかける。だが町田氏は、国内・海外ともに45、46型の液晶テレビが家庭用としてもっとも競争力があると語る。

 「ハイビジョン放送が普及したときに、高精細化で(フルハイビジョン対応が容易な)液晶が有利。また、45インチは日本の家屋には大きすぎるという意見もあるが、高精細になるとブラウン管時代よりも近くで見ることができ(視聴距離が短くなり)、6畳間でも十分大画面を楽しめる。新工場が本格稼動すれば、価格面でもプラズマに対抗できる」(町田氏)

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