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1万円以下で“極楽再生”〜縦型スタイルも嬉しいDivX対応DVDプレーヤーレビュー(2/2 ページ)

» 2005年02月02日 04時07分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 再生できるDVDディスクは、DVD-R/-RW/+R/+RW。MPEGファイルは、MPEG-1/2とDivXおよびXviDを含むMPEG-4系ファイルが再生可能だが、残念ながら、他社製メディアプレーヤーの多くが対応しているWMV9は再生できない(再生可能なファイル形式については、発表記事を参照してほしい)。

 理由は、DivXビデオを再生してすぐにわかった。“早送り”“早戻し”は、ともに2/4/8/16/32倍速まで可能で、ボタンを押してから可変速再生が始まるまでの待ち時間もほとんどなし。ストレスを感じずにトリックプレイを使える。これは、台湾MediaTekのデコードチップ「MT1389」の特徴だ。

 考えてみれば、前述のアナログ5.1ch出力などは、やはりMT1389を搭載するカノープスの「MultiR DVD」と同じ。ベースのデザインは共通と思われる。

photo 設定画面もMultiR DVDとほとんど同じ
photo スピーカーの詳細設定ページ。サラウンド再生時には、チャンネルごとのディレイタイムも設定できる
photo DVDメディア内のファイル一覧表示。日本語ファイル名が表示できない点も「MultiR DVD」と同じだ。ここは手を入れてほしかった
photo MP3再生中。プログラム再生も可能だ

 一方、他社製品の多くが搭載しているのは、米Sigma Designsの「EM8620L」。こちらはD4解像度までのWMV9再生に対応しているが、可変速再生時にしばらく待たされることもあり、一長一短だろう。

 ただ、WMV9に限らず、再生できるファイルの幅広さに関してはSigma Designsチップを搭載したネットワークプレーヤーのほうが明らかに上だ。とくにアイ・オー・データ機器や長瀬産業が提供しているサーバソフトでは、チップがハードウェアデコードできないファイルをパソコン側でMPEG-2に変換してからプレーヤーに送るという方法で、再生可能なフォーマットを増やしている。つまり、ネットワークにさえ繋いでおけば、パソコンで再生できるものはほとんど再生できるようになり、将来出てくる未知の動画コーデックに対応することも可能になるわけだ。

 もちろん、ネットワーク非対応の「D900SX」で同じことはできない。このため、購入するときは、ある程度の“割り切り”が必要になるだろう。日本語ファイル名を表示できない点も含め、機能面で他社に見劣りすることは否めない。

 しかし、「ネットワークなんて面倒くさい」とか、「ビデオを見るのに、いちいちパソコンの電源まで入れてられない」といった人も多いだろうし、なにより快適なトリックプレイは、ビデオ視聴時のストレスをなくしてくれる。上の2点が許容できるのであれば、販売価格の安さも手伝って十分にお買い得だ。とにかく手持ちのDivXファイルをテレビで見たい人、あるいは省スペースのDVDプレーヤーを探している人なら、食指が動くのではないだろうか?

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