「映画だけでいえば2〜3時間程度でおおむね足りてしまいますが、ドキュメンタリーなど長時間の収録が必要なコンテンツもあります。もちろん、ボーナスコンテンツも充実させたいですね。ゲームを入れたり、映画撮影時のスチル写真やコンテ、デザインスケッチといったものも高解像度で収録すれば、より楽しめるでしょう。動画に関しても、容量の制限で試されていないやり方がたくさんあります。動画を起点にした新しいアプリケーションは、まだまだ拡がると見ています」。
――具体的に“新しいアプリケーション”とは、どのようなものを想定しているのでしょう?
「もうかれこれ7年間ぐらい、DVDソフトには実装できないお蔵入りのアイディアが溜まり続けています。これは事業にも関連することですから、具体的な内容はお話できません。しかし、従来のDVDによる楽しみを大きく超える、それこそ概念を変えるものになります」。
「たとえば、現在のDVDはメニューが出て、本編の映像を見て、さらにボーナスコンテンツを楽しんで……と、基本的に映像コンテンツを渡り歩くことしかできません。しかし、次世代では単純に映像を見るだけではなく、映像を見ながらシームレスにストリームで配信されているライブ情報や映像をミックスさせたり、解説がスーパーインポーズされたり、映像の途中で関連するゲームを挿入したりと、自由度の高いアプリケーション開発が行えるようになると思います」。
――HD DVDプロモーショングループは、すでにリリース予定の89タイトルを発表しました。まだ先行きが決まっていない時期のコミットについて、どのように感じましたか?
「われわれもDVDフォーラムを支持し、そこでビジネスを行っていますから、HD DVDに対して簡単にコメントできない立場です。しかし同時に二つのフォーマットには対応したくありません。BDかHD DVDか、いずれか一方を選択しなければならない。そして検討した結果、BDのタイトルを発表しましたが、HD DVDを支持する映画スタジオに対してのコメントはありません」。
――ディズニーは、いつBD向けにパッケージタイトルをリリースするのでしょう?
「おそらく来年中になります。パッケージタイトルを再生できる機器の登場に合わせて、コンテンツを投入することになるでしょう。1本や2本ではありませんよ。ビジネスを開始する時には、相応に魅力のあるラインナップにします」。
――その際に利用する映像マスターは、新たに作り直すのでしょうか? またコーデックは何を使うつもりでしょう?
「われわれの持っているHDマスターは、もともとかなりのハイクオリティですから、基本的にはそれを利用することになります。また、コンピュータ制作のアニメの場合、テレシネを行いませんから、画質は最高レベルです。どのタイトルも、きちんとDVDとの差別化が行えるだけのプレミアム性を備えた高ビットレートで発売します。容量をふんだんに使うことが、BDのパッケージには必要だと思うからです。コーデックですが、VC-1とH.264の両方を評価中で、いずれか良い方を使うことになるでしょう」。
――ディズニーのBDパッケージは、どのぐらいの価格を予定していますか?
「価格に関しては、今後、さまざまな角度から検討しなくてはなりません。ハッキリした数字を出すことは難しいですが、DVDと同等か、若干高い程度でしょう。北米では25〜30ドルのレンジに収まると思います。DVDよりも明らかに高価な値付けはしません」。
――今後、映像パッケージソフト市場はどのように変化すると思いますか?
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