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BD陣営に初めて強くコミットした“ハリウッドメジャー”――ディズニーの真意連載:次世代DVDへの飛躍(4/4 ページ)

» 2005年02月22日 23時20分 公開
[本田雅一,ITmedia]
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 「よくいわれているように、2006年もしくは2007年には金額ベースでの成長が止まり、売り上げが停滞するでしょう。ですから、2007年末までには次の市場を作っておきたいと考えています。そのときには、テレビのHD化もより一層進んでいるハズです。

 テレビを見るとハイビジョンで放送されているのに、お金を払って購入するコンテンツがSD映像では商品価値を出すことが難しくなってきます。大画面のHDTVを購入し、ハイビジョン放送を見るとキレイなのに、SD映像しか入らないDVDではその美しさを体験できないどころか、相対的に画質が低く感じられ、愕然とするかもしれません。こうした人々は、HD映像を収めたパッケージを購入するようになると思います」。

 「とはいえ、DVD市場がなくなることは現時点では考えられません。一世を風靡したVHS市場ですが、現在は収束へと向かっています。2010年あるいはその少し先ぐらいになれば、VHSソフトはなくなるでしょうが、DVDはずっと売れ続けると思います。

――次世代光ディスクの市場立ち上げに手間取っていると、インターネットの映像配信が先に実用的なものになってしまう可能性は考えられませんか?

 「すでに数社が映画配信をオンラインで行う事業を手がけていますが、まだ最適なビジネスモデルを構築するには至っていないと思います。また、たとえ技術的にも、インフラ面でもネットワーク配信が実用的なものになったとしても、コンシューマーは、実際に手にとって触り、見ることが可能な商品しか信じない人が多い。私としては、ネットワーク配信がパッケージ販売を超える可能性は考えにくいですね。少なくとも、半分以上がネットワーク配信になることはあり得ないと思っています」。

――どこまで市場が大きくなるかはともかく、ネットワーク配信であればコンテンツの使用期限やほかのネットワークサービスとの連携など、より柔軟な使い勝手や著作権管理が行えるのではないでしょうか?

 「確かに、ネットワーク配信には、われわれにとっても、やりやすい面はあります。しかし、テクニカルな要素が絡む機能などは、なかなかユーザーに理解してもらえないものです。また、パッケージを買って、手元に“存在する”ことが重要なんですよ。われわれのような製品であれば、親が子どもに買い与えることもあるでしょう。将来、世の中の仕組みがインターネット中心になり、その後に生まれた子どもたちが成長して社会を構成するようになれば、あるいは“モノ”に対する執着もなくなるのかもしれませんが、それはずっと先のことでしょう」。

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