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テレビでVoD“見放題”――フレッツ向け「オンデマンドTV」登場(2/2 ページ)

» 2005年03月07日 23時53分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 オンデマンドTVを利用するためには、NTT東西のIPv6接続サービスに加入していることが条件になる。たとえばNTT西日本の場合は、「フレッツ・光プレミアム」か、「Bフレッツ」と「フレッツ・v6アプリ」の組み合わせ、もしくは「Bフレッツ」と「フレッツ・ドットネット」の契約が必要だ。一方、東日本エリアは少し遅れて2005年6月頃からサービスを開始する予定で、NTT東日本の「Bフレッツ」と「フレッツ・ドットネット」が必要になる。

 当初は“光ファイバー”と“IPv6”が条件になるなど、少し敷居が高いようにも思えるオンデマンドTVのサービスだが、帯域幅の広い光ファイバーで動画のビットレートを確保し、IPv6のプラグ&プレイによる機材の簡単接続を実現するなど、サービスの品質と利便性を考慮した判断であることは間違いない。バッファローが手がけたというSTBは2つのUSBポートを備え、オンラインゲームやカラオケなどのエンターテインメントサービス、TVショッピング、遠隔教育など多用なサービスに対応可能だという。そして最もユニークなのは、ユーザーインタフェースの開発をゲーム会社のスクウェア・エニックスに依頼して、「軽快かつ柔軟なUIを作ってもらった」(梶原氏)という点だ。

 たとえば、トップ画面は上下に分割し、上部はお勧めタイトルなどのプロモーション用、下部は各サービスの入り口となるアイコンのスペースにと明確に分けている。「ビデオ」(VoD)のメニューでは、やはり上部にお勧めタイトルが表示されるが、フィルムのように横に並んだ画像が右から左へとゆっくりとスクロールする仕組みになっている。多くのコンテンツをアピールするための工夫だ。

photo VoDメニュー画面。さまざまなタイトル検索方法を用意している

 このほかにも、パンフレットや情報誌に記述された4桁の番号でタイトルを探し出す「ID検索」、映画のジャンルから絞り込む「ジャンル検索」、タイトルの“お気に入り”登録など、目的のタイトルに辿り着くまでの手間を省く機能を多く盛り込んでいる。

 発表会に同席したスクウェア・エニックスの和田洋一社長は、「従来のVoDサービスでは、目的のコンテンツに辿り着くまでにバリア(障壁)があった」と指摘する。「一方、ゲームはどんなビジネスソフトよりも複雑な作りを持っているが、分かりやすくないとプレイしてもらえず、われわれは良い意味で鍛えられてきた。オンデマンドTVのSTBは、サービスに行き着くまでのストレスを減らし、楽しくなるように仕上げたつもりだ」(同氏)。


 オンデマンドTVでは、9月頃により伝送効率のよいH.324対応のSTBを投入し、これに前後して「フレッツADSL」ユーザー向けのサービスを開始する計画だ。インフラ面の敷居を下げ、ユーザーの裾野を拡大する。

 また、営業面では「ピカパー!」を展開するオプティキャストと協力し、マンションなど集合住宅を対象とした共同販売などを手がけるという。「VoDをわれわれのサービスにくわえ、“4つめのサービス”にしたい」(発表会に同席したオプティキャストの篠木廣行社長)。

 初年度の加入者目標は7.7万人。3年後の2008年には40万ユーザーを目指すというオンデマンドTV。梶原社長は、「われわれが重きを置いているのはVoD。ソフトバンク系のBBTV、KDDI系の光プラスTVなど、同様のサービスはいくつかあるが、お互いに切磋琢磨しながら、リモコン操作だけでビデオを簡単に借りられるVoDの文化を広げていきたい」と話している。

photo 左から伊藤忠商事の奥田陽一専務、オン・デマンド・ティービーの梶原浩社長、西日本電信電話の軸屋真司取締役
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