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小さく軽く速くなった新型キスデジ――EOS Kiss Digital Nレビュー(4/5 ページ)

» 2005年03月24日 03時37分 公開
[永山昌克,ITmedia]

ノイズレスで見栄えのいい画質

 新機能としては、ホワイトバランスの補正とブラケティング機能、フィルター効果や調色を加えられるモノクロモード、JPEGとRAWを別ファイルとして同時記録するモードなどがある。いずれも上位機EOS 20Dから受け継がれた機能だ。

 撮像素子にはAPS-Cフィルムサイズの有効800万画素CMOSを採用する。撮像素子のサイズや画素数にわずかな違いはあるが、画質のレベルや傾向はEOS 20Dに近い。

 ただし、初期設定の現像パラメーターが異なる。EOS Kiss Digital Nの初期設定はコントラスト、シャープネス、色の濃さがそれぞれ+1となる「現像パラメーター1」が選ばれているが、EOS 20Dの初期設定はそれぞれが±0の「現像パラメーター2」である。したがって、その分EOS 20Dよりも鮮明な発色になる。ただ、それでも旧EOS Kiss Digitalに比べた場合は、彩度やシャープネスの強調はいくぶん控えめだ。

 解像感は高く、発色はクリアで、色がぶりやにごりが少ない。また、高感度時のノイズは目立たないように抑えられている。シーンによってはいかにもデジタルという印象の、やや人工的な絵作りになる場合もあるが、いい方を換えれば、どんなシーンでもそれなりに見栄えよくまとめる絵作りだ。

 ボディのみで約10万円の実売価格は、最近の低価格デジタル一眼レフ機として特に安くはないが、高くもない。だが、さらに上の価格帯のデジタル一眼レフ機に匹敵する画質とスピードを考えれば、非常にお買い得なデジタル一眼レフ機といえるだろう。

photo 色味を微妙にコントロールするホワイトバランスの補正機能を新搭載する。また、1回のシャッターで色味を変えた3枚を同時記録するホワイトバランスブラケットにも対応する
photo 現像パラメーターから「モノクロ」を選ぶと、単なるモノクロ写真ではなく、黄/オレンジ/赤/緑のフィルター効果によってコントラストを変えたり、セピア/青/紫/緑に調色することができる
photo バッテリーは従来より小型化したリチウムイオンだが、電池寿命は従来と同レベルを維持している。コンパクト機の「PowerShot S70/S60」などと互換性がある
photo 記録メディアは、コンパクトフラッシュType IとIIに対応し、マイクロドライブも使用できる。PCとの接続端子はUSB2.0端子を備える

「EOS Kiss Digital N」の作例

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