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ハイビジョン録画で楽しむホームシアター劇場がある暮らし――Theater Style(3/3 ページ)

» 2005年03月25日 13時19分 公開
[本田雅一,ITmedia]
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ハイビジョン録画に必要なもの

 さて、ではハイビジョン録画にはどのようなものが必要なのか。もちろんハイビジョンを受信可能な、BSデジタル/110度CSデジタル/地上デジタルなどに対応したチューナユニットが必要だが、これのD端子やコンポーネント端子を録画機に接続しても録画は行えない。

 これはクオリティの高いハイビジョン映像を、簡単にダビングできなくするためだ。ハイビジョンを録画するには、録画する機材がきちんとしたメーカーであることを確認し、暗号化を行わなければならない。このためダビングはすべてIEEE1394 、つまりiLinkで行うことになる。

 もっとも手っ取り早くハイビジョン録画をしたいなら、デジタルハイビジョンチューナー内蔵で、DVDへのダビングのほか外部機器へのハイビジョンダビングに対応した東芝のRD-Z1もしくはシャープのHRDシリーズが便利だ。とりあえずHDDに録画し、一度見て不要ならば消してもいいし、DVD品質で光ディスクにも残せる。またiLink経由でD-VHSにダビングすることも可能。

 ハイビジョンを光ディスクで残す場合は今のところBlu-ray Discを用いる以外の方法はない。ただ、現在発売されているBDレコーダーにはいくつか制約もある。松下電器産業のDMR-E700BDにはiLinkがなく、HDDも非搭載のためBDに直接録画しなければならない。ソニーのBDZ-S77はソニー製HDDレコーダとの連携が可能だが、他iLink機器とのダビングは不可で内蔵チューナーが地デジ非対応。D-VHSレコーダーへのダビングもサポートされていない。

 もっとも制限が少ないのはシャープのBD-HD100。HDD搭載でDVDドライブとBDドライブの両方を搭載。iLink搭載の外部HDDレコーダーへの録画も可能など柔軟性が高い。D-VHSへのダビングにも対応している。HDD容量が160Gバイトと少なめな点と操作性がやや煩雑な点が弱みだが、ハイビジョン録画に関してもっとも「不可能なこと」が少ないのはこの機種。筆者も現時点ではBD-HD100でハイビジョンを録画している。

 ただいずれのBDレコーダーも、外部チューナーからの録画をサポートしていない(BDZ-S77はサポートしているが自社チューナーのみ対応)。このため、CATVのデジタルSTBでハイビジョンを受信している世帯では使えない点には注意しておこう。

 最後に忘れてはならないのが、iLink経由でHDDにデジタル放送を蓄積できるレコーダー、アイオーデータ機器の「RecPOT-M」。すでにiLink対応デジタルチューナー(もしくはチューナー内蔵テレビ)を持っているなら、RecPOT-MとD-VHSデッキを用いることで、ハイブリッドレコーダライクな使い方を行える。

 デジタル記録が可能なVHS規格「D-VHS」を使うという方法もある。専用テープはやや高価だが、D-VHSテープの特性はS-VHSテープと全く同じ。S-VHSの120分テープは、1本あたり200円ほどで購入できるため、大量にライブラリをストックしたいユーザーには経済的(その分、メディアの置き場所には困るが)。S-VHSへD-VHS映像を録画することは正式には保証されていないが、特性が同じため問題が起きるという話はほとんど聞かない。このため、ハイビジョン録画を楽しんでいるAVマニアの多くはD-VHSを保存先として利用しているものが多い。

 なお、組み合わせによってはダビング時にうまく動作してくれないD-VHSデッキもあるので、接続相手との互換性は必ず確認してから購入する方がいいだろう。またD-VHSに移動したコピーワンスの番組は、別の媒体には移動させることができない「最終目的地」であることも意識しておきたい。

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