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スピーカー選びとセッティングの基礎劇場がある暮らし――Theater Style(4/4 ページ)

» 2005年04月08日 23時59分 公開
[本田雅一,ITmedia]
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設置する上でのコツ

 さて、実際にスピーカーを購入し設置する場合に、いくつか注意点を挙げておきたい。

 まず冒頭でも書いたようにスピーカーにはエージング、つまり“慣らし”が必要ということ。新品購入した直後は、どんなスピーカーでも、まず詰まったようなおかしな音で音のレンジも狭く感じる。特に最初の数時間は大きく音が変化するので、できれば数時間、鳴らしっぱなしにして食事にでも出かけてみるといい。戻ってくる頃には、かなり滑らかさが出てくる。ある程度大きなスピーカーなら、数ヶ月後からが本領発揮。大型スピーカーの場合は1年ぐらい音が変化を感じる場合もある。

 つまり購入直後ではなく、少なくとも数日は鳴らした後に、自分のスピーカーを評価すべきということだ。

 次に設置方法。サラウンドスピーカーでしっかりとした場所に置けない場合はともかく、前側の3本のスピーカーは、しっかりと振動しにくい場所に置くようにしたい。またフロントスピーカーが大きい場合、あまり背面の壁に近づけ過ぎると本来の質が引き出せない。壁からの距離を徐々に離しながら、設置場所の広さと音質の違いから妥協点を探るようにしたい。

 またサラウンドスピーカーをAVアンプの指定通りに厳密に配置できない場合でも、フロントスピーカーの方向はユーザーから見て左右それぞれ30度の位置に見えるように工夫しよう。センタースピーカーがある場合は、なるべくフロントスピーカーのトゥイーターに近い高さ(スクリーン下端ギリギリ)に上げ、ユーザーの方向に向くように角度をつける。

 スピーカーの方向は基本的にユーザーの方向。そこからやや外方向に数度開くように調整していく。あまり開き過ぎ、壁に垂直な方向に近付き過ぎると、音像がぼやけてくる。その一歩手前を探るのだ。逆に内向きにすると音像が小さくなり、解像度が上がったように感じるが音場は狭くなり、ややせせこましい音になる。周囲が静かな環境なら、誰でもカンタンに聞き分けることができるのでフロントスピーカーの設置はトライ&エラーで繰り返し試してみるといい。他にもスピーカー設置に関しては、色々な手法やノウハウがあるが、その詳細はいずれこの連載の中でも扱っていくことにしたい。

 最後にスピーカーを保護するサランネットを外してみる。サランネットはスピーカーを保護するためのものだが、外すと劇的に音質が改善されるスピーカーも少なくない。子供やペットなどの関係でサランネットは必須、というのでなければ、聞き比べて良い方を選ぶようにするといい。

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