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薄さと強さのモノコックデザイン――高感度・薄型機「FinePix Z1」レビュー(2/5 ページ)

» 2005年04月25日 18時44分 公開
[永山昌克,ITmedia]

クイックショットとアシストウィンドウが便利

 操作面で、気に入った機能が2つある。ひとつは、撮影メニューから設定できる「クイックショット」だ。これをオンにすると、内部処理によるAFデータの取り込み回数が通常の約2倍になり、AFのレスポンスがいっそう速くなる。その分消費電力がやや大きくなるが、AFの精度や液晶表示には影響を与えない。電池残量が不安な場合以外は、常にクイックショットを選んでおくのが便利だ。

 もうひとつは、DISPボタンで選択できる「アシストウィンドウ」機能だ。これを選ぶと、液晶画面が約半分のサイズに縮小され、その左側に撮影した3コマ前までの画像が表示される。つまり、撮った画像とこれから撮る画面とを見比べながら構図を決められる。構図だけでなく、ストロボモードや露出補正、ホワイトバランスなどの設定を変更しながら撮る場合に重宝する。

 このクイックショットとアシストウィンドウは、どちらもFinePix F10から受け継がれた機能である。多機能なFinePix F10に比較すると、連写、スポット測光、コンティニュアスAF、カスタムホワイトバランス、AF補助光などの機能が削られ、逆にモバイルプリンター「Pivi」への赤外線送信機能が追加されている。

 上部のモードレバーでは、静止画モードと動画モードの切り替えのみを行い、静止画の撮影モードはメニュー内から選ぶ。用意される撮影モードは、フルオート、マニュアル、ナチュラルフォト、人物、風景、スポーツ、夜景の7タイプ。このうちのマニュアルを選んだ場合のみ、露出補正やホワイトバランスの選択、オートエリアAFの使用が可能になる。

 絞りやシャッター速度のマニュアル設定はできないが、シャッターボタンを半押しすると、それぞれの数値が液晶画面に表示される。絞りは、ズームのワイド端でF3.5/F5/F8の3段階、シャッター速度は4秒から1/1000秒の間で自動調整されるようになっている。ただし、夜景モード以外ではシャッター速度の下限は1/4秒となる。

 そのほか、十字ボタンの上で液晶の輝度アップ、下でセルフタイマー、左でマクロモード、右でストロボモードの設定ができ、Fモードボタンからは、記録画素数、ISO感度、カラーモードの選択ができる。また、ボタンタッチで撮影モードから再生モードへと移行でき、シャッターボタンの半押しで撮影モードに復帰する。このあたりの操作性は、FinePix F10と同じだ。

photo 静止画メニューは上から、撮影モード、露出補正、ホワイトバランス、クイックショット、AFモード、セットアップの6項目。FinePix F10に比べると、機能が少ない分シンプルな構成だ。シャッターボタンの半押しすれば、メニューをオフにできる
photo 直前のカットを小画面表示できるアシストウィンドウ。バッファメモリを利用しているので、電源を切ったり、いったん再生モードに切り替えた後は、小画面内の表示はキャンセルされる。大画面のメリットを生かしたユニークな機能だ
photo ボディのホールド感は、薄型デジカメの標準的なレベル。屈曲光学系のレンズに共通した問題として、右手を添える際につい指が写り込みやすい点を指摘できる。慣れてしまえば問題はない
photo 背面の親指があたる位置には、滑り止め用に3つの丸いラバーがあり、その左端の1つは合焦ランプの働きを兼ねている。シャッターボタンやズームレバーは、大きな手のユーザーには少し小さく感じる
photo 電源には、容量710mAhの薄型リチウムイオン充電池を、記録メディアにはxDピクチャーカードをそれぞれ採用する。底部に三脚穴はない
photo 三脚穴付きの付属クレードルを使えば、このように三脚を利用できる。ただし、クレードルの上にカメラを載せるだけなので安定感はよくない。端子類は、ボディ側はクレードル端子のみとなり、ビデオ出力端子、USB2.0端子、DC入力端子はクレードル側にある

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