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中国版フォトエキスポに行ってきましたチャイナP&Eレポート(2/5 ページ)

» 2005年05月17日 17時37分 公開
[永山昌克,ITmedia]

韓国サムスンのフラッグシップ機とスリム機

 今回の展示会の目玉は、韓国サムスンが試作品として初公開した「Digimax」シリーズの2台のデジカメといえるだろう。その1つは、シリーズのフラッグシップとなるレンズ一体型の高倍率ズーム機「Digimax Pro 815」だ。

photo サムスン「Digimax Pro 815」。側面に、ストロボポップアップボタン、AFロックボタン、AFモードとMFの切り替えボタンなどを装備。レンズは、ドイツの名門レンズメーカー「シュナイダー」のブランド名を付けた光学15倍ズームだ

 レンズは、35ミリ換算で焦点距離が28〜420ミリ相当の光学15倍ズームを採用。ワイド側にもテレ側にも強い大柄のレンズであり、一目見てその迫力に圧倒された。加えて、静止画用デジカメの液晶としては世界最大級となる、3.5インチ液晶にも驚かされる。

photo ビデオカメラを思わせるような巨大な液晶モニターが背面の大部分を占め、液晶ビューファインダーも備える。上部のダイヤルでは、オート、プログラムAE、絞り優先AE、シャッター優先AE、マニュアル露出、動画など8モードを選べる

 そのほかに公開された仕様は、起動が1秒で、撮影間隔も1秒、秒間2.5コマの連写モードを備え、電源は1900mAhの大容量リチウムイオン充電池となる。発売は今年7月の予定で価格は未定だ。肝心な撮像素子の仕様は未公表であり、レンズの開放F値、シャッター速度、連写枚数、本体重量なども判明していない。ただし、現地記者は2/3型の800万画素クラスではないかとウワサしていた。

 手に取って触ったDigimax Pro 815は、電源の入らない試作品だったが、デジタル一眼レフ機に匹敵する、ずっしりとした重さを感じた。ズームをテレ側にするとレンズが倍近い長さにまでせり出すが、ホールド感は悪くなく、電動ではなく手動式ズームを採用した点もいいだろう。

 日本では、デジタル一眼レフ機に押されて、このクラスのハイエンドデジカメは今や下火である。よって、これまでの製品と同じく日本での発売はまずないと思うが、会場では圧倒的なスペックの高さが大きな注目を集めていた。まずはスペックに目が行くのは、どこの国も同じである。

 もう1台の注目は、薄型大画面モデルの「Digimax i5」だ。これまでの同シリーズは、ソニーのサイバーショットPシリーズを彷彿するような、沈胴式のレンズが端に寄った横長デザインの製品がほとんどだったが、そこから大きくモデルチェンジし、この製品が同社としては初のスリム機となる。

photo サムスン「Digimax i5」。シルバーのほかに、赤、青、黒のカラーバリエーションも展示されていた。またMP3機能を加えた派生モデル「Digimax i50」もある。いずれも7月発売予定で、価格は未定

 ボディの奥行き(厚さ)は17.3ミリで、レンズには屈曲光学系の3倍ズームを、液晶モニターには2.5インチ(23.5万画素)をそれぞれ搭載する。撮像素子は500万画素CCDで、記録メディアはSDメモリーカードを採用。日本メーカーに出遅れたとはいえ、最近のトレンドに合わせた新製品といえそうだ。

photo 背面のMボタンで静止画と動画の切り替えができ、再生ボタンや削除ボタンなどもある。言語設定メニューから日本語を選んでみたが、試作段階のためか、誤った日本語が目に付いた

 このDigimax i5は電源の入る試作品を触ることができた。日本語メニューは、まだ誤字だらけなのがおかしかったが、1秒以下の素早い起動や、ボタンやレバーの良好な操作感覚を確認できた。この製品に限らず日本製品の場合でも、屈曲光学系の薄型大画面モデルは、どれもこれも似たようなデザインになってしまうのが、もの足りないところだ。

photo サムスンのブースで披露された、琵琶や二胡など中国民族楽器による演奏会

中国シーガルの双眼鏡タイプの210万画素機

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