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“デジタル版GR1”を予感させる本格志向――リコー「Caplio GX8」レビュー(3/5 ページ)

» 2005年05月23日 15時48分 公開
[小山安博,ITmedia]

 画像処理システムは従来通り「Smooth Imaging Engine」。比較的自然な色合いで、彩度が高かった前モデルの絵よりも忠実な印象だ。ただ、暗部のノイズが多めな点が気になった。ISO感度オートで撮るとほぼISO100の設定で撮影されるが、それでも暗部のノイズは比較的多め。最低感度はISO64だが、シャッタースピードが稼げない場合以外ではISO64に設定しておいた方がいいかもしれない。

photo シーンモードは6種類と、それほど多くない

 ちなみにISO感度はISO 64/100/200/400/800/1600まで選択可能。このクラスでISO 1600という高感度を用意している点は評価したい。さすがにISO 1600のノイズは多いが、ISO 64でシャッタースピード0.5秒しか得られなかったシーンで、ISO 1600では1/50秒まで稼げたので、場面によっては手ブレ・被写体ブレを防ぐためにこの高感度を選択してもいいだろう。

 撮影方法としては、オート撮影に加えて絞り優先・マニュアル露出モードがあるので、より柔軟な撮影が可能。シャッタースピード優先がない、絞りが3段階まで、という制約はあるが、アップダウンダイヤルによる絞り・シャッタースピードの変更は一眼レフライクな操作性で撮影の幅が広がるだろう。

 アップダウンダイヤルは、モードダイヤルを「A/M」に設定すると絞りを変更でき、そのまま撮影すれば絞り優先、さらに十字キー上ボタンを押しながらダイヤルを回すとシャッタースピードが変更可能になる。個人的にはシャッタースピード優先モードも欲しかったところだ。

 使い勝手が高いのがマクロ機能。「リコーといえばマクロ」というぐらい、リコーのお家芸が「1センチマクロ」だ。ワイド端でレンズ前1センチまで近寄ることができ、ほとんど別世界を堪能できる。テレ端でも10センチまでのマクロ撮影が可能で、撮影の幅が広がる。マクロ撮影への切り替えは十字キー下ボタンに割り当てられている。

 マクロ撮影で三脚を利用する場合に便利なのが、AF測距点の移動機能だ。マクロモードに設定すると、ADJ.ボタンからこの機能が使えるようになる。十字キーで測距点を自由な位置に移動させられるため、カメラを動かさなくても、自由な構図でマクロ撮影が楽しめる。ピント精度も向上しているようで、被写体に思い切り寄っても、思った以上に素直にピントが合う。

photo AFポイントは自由に動かせる。マクロ撮影時にしか使えない機能だ

 それ以外では、新たに専用のワイドコンバージョンレンズが用意されており、それを使えば22ミリ相当の焦点距離が実現できる。フィルタ径は37ミリなので、既存のテレコンバージョンレンズなども利用可能だ。

photo フィルタ径は37ミリ。アダプターリングが金属になっている

 また、側面のUSB端子を使う形で、電気式の外部レリーズにも対応。ホットシューを備えるため外部ストロボも利用可能で、従来は内蔵フラッシュと外部フラッシュが連動していたのだが、内蔵フラッシュオフでも外部フラッシュが使えるようになった。

photo USBは2.0に対応。端子がむき出しなところは少し心配な感じもある。電気式の外部レリーズはUSB端子を使う

デジタル版GR1の先触れか

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