録音ファイルや撮影画像を保存するのは、256Mバイトの内蔵メモリだ。メモリースティックなどの外部メモリには対応していない。録音モードはICD-MX50と共通。ST(ステレオ標準)、STLP(ステレオ長時間)、SP(モノラル標準)、LP(モノラル長時間)の4段階があり、最長93時間30分(モノラル標準)の録音が可能になっている。
録音モード | 周波数 | ビットレート |
---|---|---|
STモード | 60Hz〜13500Hz | 48kbps |
STLPモード | 60Hz〜7000Hz | 24kbps |
SPモード | 60Hz〜7000Hz | 16kbps |
LPモード | 60Hz〜3500Hz | 8kbps |
マイクは全指向性で、感度調節の機能はない。その代わり、本体下部に外部マイク端子が用意されているほか、再生時には「デジタルボイスアップ」機能を使って録音レベルを補正できる。また全体の音が小さくて聞き取りにくいときは、音量を30以上にすると、自動的にデジタル信号処理が働き、音量を全体的に大きくしてくれる。
とはいえ、条件がよほど悪くなければ、内蔵マイクで十分だ。雑音の多いイベント会場で録音したとき(STモード)はデジタルボイスアップのお世話になったが、それも一度きりだった。
カメラ部は130万画素で、撮影画像のサイズは1280×960ピクセルもしくは640×480ピクセルの2段階。マクロ撮影や4倍デジタルズームをサポートしているものの、ピントは固定のうえ、フラッシュや手ぶれ補正機能なども搭載していないため、やはり“画像メモ”として割り切ったほうがいい。
ただし録音機能と組み合わせると、かなり便利に使える。ICD-CX50が持つ「ピクチャーブックマーク」機能は、撮影した写真を音声ファイルのブックマークにするというもの。録音中に「CAPTURE」ボタンを押すと、録音状態のままカメラに切り替わり、撮影と同時にブックマークを設定する仕組みだ。再生時には、写真を確認して聞きたい部分に飛べる。
たとえば、展示イベントに行ったら、話を聞く前にブースの外観や目的の展示物を撮っておく。再生時には、画像で目的のブースや製品を検索できる。またセミナーなら、講演者やテーマが変わるごとに顔を撮影しておけばレポートなどを書くのも便利だろう。発言者にカメラを向けられないような雰囲気なら、資料やメモを撮影しておけばいい。マクロ機能を使えば12センチまで撮影対象に寄ることができる。
写真と音声は、後から追加することもできる。たとえば先に写真だけ撮影しておき、説明を加えたいとき。画像を表示してメニューから「アフレコ」を選択し、再生ボタンを押せば録音が始まる。一方、音声ファイルを再生中にカメラで撮影すれば、その箇所にブックマークを追加できる。
本体画面(ユーザーインタフェース)は、タブやフォルダ、アイコンといったPCユーザーになじみ深いもので構成されており、非常にわかりやすい。本体側面にあるジョグスイッチの左右で「フォルダリスト」→「用件リスト」→「ブックマークリスト」とタブを移動し、目的の録音ファイル(用件)やブックマーク箇所を探す仕組み。
通常のブックマーク機能では、順番やおよその時間から聞きたい箇所を探すことになるが、写真があると一目瞭然。録音中は撮影の手間が増えるものの、その価値は十分にあると感じた。とくにICレコーダーの使用頻度が高く、フォルダ分けや録音時間などを頼りに録音ファイルを探している人には最適だろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR