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ソニー・西谷氏に聞く「次世代DVD統一交渉の顛末とこれから」緊急インタビュー(4/4 ページ)

» 2005年05月27日 20時14分 公開
[本田雅一,ITmedia]
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――東芝側からは今後、統一交渉を続けるならば0.6ミリ以外では受け入れられないといった報道も見られます。一方では0.1ミリ、0.6ミリにこだわらずという意見もあり、やや揺れている印象ですが、藤井氏自身は「0.1ミリ構造で検討をして無理だったのだから、その次は0.6ミリ構造についても検討するのが正しい道筋」と発言されているようです。ソニーとしての、今後の統一に対するスタンスや考えをお話しいただけますか?

 「元々の話が0.1ミリ構造を受け入れてもいいので、統一の方向で調整しましょうと始まったものです。したがって0.6ミリ構造前提での検討となると再開するのは難しい。すでに発売されているレコーダーよりも容量が小さくなる規格を次世代にはできません。統一するならば、より容量が大きなものになる必要があります」

 「今後の製品計画という意味では、統一交渉が一段落したことで、これまでと変わらないスタンスで着々と進めます。この1カ月の騒ぎもあったけれど、今まで通り、BDAの仲間と話をしながらフォーマットを作っていきます。BDでの製品化を進めるモードに切り替わったので、今後はそちらに力を入れてきます」

――では、再度の話し合いは難しいのでしょうか?

 「BDAに参加する我々ベンダーは、少なくとも2006年中には映像パッケージビジネスをスタートできるようにと準備を進めてきました。何か大きな変更を加えるには、もうそろそろ時間的に難しいタイミングになっています。決して門を閉じているわけではありませんが、非常に難しいとは言えるでしょう」


 なお、ソニー・広報室によると、ソニー社長に就任予定の中鉢良治氏は、光ディスク統一に向けてたいへんに意欲的で、「機会さえあれば、自ら統一に向けての交渉を行いたい」と話しているという。事業部としてはBDの製品化へと再スタートを切ったソニーだが、会社全体としてはまだまだ統一に対する意欲は残っているようだ。

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