ISO感度の設定が階層の深い部分にあるのが少々気になるところで、個人的には画質設定とISO感度を入れ替えたいところだが、そうしたカスタマイズはできないようだ。また、シーンプログラムを切り替えるたびに画質モードやフラッシュモードが初期設定に戻される点も気になった。シーンプログラムによって選べる画質モードが異なるのも少々残念だ。
それ以外の操作性はおおむね良好。電源がオフの時でも、再生ボタンを押すと液晶だけが点灯し、撮影画像の閲覧ができる。そのまま撮影ボタンを押すとレンズがせり出し、撮影に移ることも可能だ。撮影時は再生ボタンで画像再生が行えるが、そのままシャッターボタンを押すだけで撮影に戻れる操作性はいい。
初心者向けの機能としては、ヘルプ表示機能が挙げられる。シーンプログラムやマクロ切り替えなどで、画面に作例や解説が表示される機能で、その設定がどんな効果をもたらすのか、分かりやすく説明してくれる。
ヘルプが表示されるのはシーンプログラム、ムービー、マクロ、フラッシュ、露出補正、セルフタイマーで、ホワイトバランスやISO感度設定などでは表示されない。
たとえば十字キー左のマクロボタンを押すと、マクロオフは「一般的な撮影に適しています」、マクロオンの場合は「近接した被写体の撮影に適しています」と表示される。何となく分かったような分からないような説明ではある。ワイド端、テレ端でどこまで近づけるか、といった具体的な数字まで表示すると、逆にまた説明が長くなってしまうので難しいところだが、もう少し情報が欲しい。
それでも、最初に説明書を読まなくてもだいたいの機能が理解できるので、デジカメ初心者、または機能が使いこなせていなかったという人には効果的かもしれない。
X-600の撮影の基本はプログラムオート(Pモード)での撮影だ。選べる撮影設定は露出補正/画質モード/ホワイトバランス/測光方式/ISO感度など。ホワイトバランスはオート/晴天/曇天/電球/蛍光灯、ISO感度はオート/ISO 64/100/200/320から選択できる。
レンズの焦点距離は35〜105ミリ相当で、レンズのF値はF2.8〜F4.8といたって標準的。レンズ構成は、非球面レンズ3枚を含む7群7枚で、大きな破綻のない素直な描写をする。色味も自然のようだ。
このクラスのデジカメの常として、比較的低ISO感度からノイズ量は多め。PCのディスプレイで等倍表示をしない限りは取り立てて問題にはならないので、このあたりは割り切って使うのもいいだろう。もちろん、ノイズを減らしたい場合は最低感度のISO 64を使えばいい。
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